歩行者天国で首都祝福 ナイト・フェスティバル 「街づくり、市民も参加を」 ジョコウィ知事
ジャカルタ特別州は22日、ジャカルタ生誕486年記念行事として、「ジャカルタ・ナイト・フェスティバル」を開いた。午後6時〜23日午前2時まで、独立記念塔(モナス)からホテル・インドネシア(HI)前ロータリーまで目抜き通りを歩行者天国にし、押し掛けた数万人の市民が音楽などの催しを楽しんだ。
ジョコウィ知事は22日、モナスで開かれた開幕式で、ジャカルタ土着のブタウィ人なまりの言葉で「市民自ら積極的にジャカルタの街をつくっていこう」と呼びかけ、来場者の拍手喝采を浴びた。
南ムルデカ通りの州庁舎前では生誕486年を記念し、高さ4.86メートルに盛ったナシ・クニン・トゥンペン(祝い用の山型に盛られたご飯)を用意。486等分し、来場客に配った。
同日夕、モナスからタムリン通り、HI前ロータリーにかけ、ステージが8カ所に設置され、音楽ライブなどのイベントが開かれた。国営サリナ・デパート前の地方テレビ局ジャックTVのステージでは、女性歌手がダンドゥットのヒット曲を熱唱、数百人の観客が一緒に踊るなど盛り上がりを見せた。
聴衆の一人、大学2年生のカリナさん(19)は「みんなで音楽を楽しめる雰囲気が好き」と話す。人混みの中にカキリマ(移動式屋台)も集まってきていた。普段HI周辺でナシゴレンを売るナディさん(23)は「普段の3倍以上の売上げになりそう。これなら毎日でもやってほしい」と満足げ。警備にあたった警察官が市民と携帯電話のカメラなどで記念撮影する光景もみられた。
同日未明、政府は補助金付き燃料を値上げすると発表し、ジャカルタでも未明まで一部で抗議デモが実施されたが、夕方以降の目抜き通りは祝福ムード一色。ジャカルタ生誕行事で初めて開かれた歩行者天国を楽しむ市民で溢れかえった。
この日、州内を運行するトランスジャカルタの乗車券やアンチョール公園の入場も無料となった。(赤井俊文、山本康行)