「KPK元委員長に同情」 アナス前党首が証言 アンタサリ事件

 ハンバラン競技場汚職事件の容疑者に断定されたアナス・ウルバニングルム民主党前党首は10日、09年の実業家殺人事件で禁錮18年の判決を受けたアンタサリ・アズハル汚職撲滅委員会(KPK)元委員長が請求した再々審の受理をめぐる証人喚問で、アンタサリ氏を援護する証言をした。地元紙が報じた。
 アナス前党首は殺害された実業家ナスルディン・ズルカルナエン・イスカンダル氏(当時、50)の友人。アンタサリ受刑者がナスルディン氏をSMS(携帯電話のショート・メッセージ・サービス)で脅迫していたことが裁判の争点になったが、アナス前党首は「射殺される2週間前にバンドンの服飾店で会い5〜7分話したが、脅迫されている様子はなかった」と証言した。
 アナス前党首は自身の汚職疑惑が支持率低下を引き起こしていると党執行部から追及され、そのさなかにKPKの容疑者断定を受けた。司法、警察への捜査を進めるさなかに殺人教唆の容疑で逮捕されたアンタサリ氏に「同情を感じる」とし、「彼が犠牲にされた可能性があるとみている」との見方を示した。
 再審で最高裁は、アンタサリ元委員長はナスルディン氏が09年当時、元委員長の不倫を暴露すると脅したことから国家警察幹部や日刊紙オーナーらとともに、実行犯5人にナスルディン氏殺害を教唆したと認定し、禁錮18年の下級審判決を支持した。
 アンタサリ受刑者は、殺人教唆を裏付けるSMSの送信記録はないと主張。ナスルディン氏の遺体の検視に不審な点があると指摘した鑑識専門家の法廷証言などを挙げ、事件がKPKの捜査対象となった警察らの陰謀によるもので自分は潔白とし、再々審を請求している。

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