現職ファウジ氏 認知度でリード 渋滞悪化で評価厳しく 来年7月に首都で知事選
民間調査機関「国民調査メディア」と「フューチャー・インスティテュート」は二十四日、来年行われるジャカルタ特別州知事選への出馬の可能性が取りざたされている候補者の認知度についての世論調査の結果を発表し、ファウジ・ボウォ現知事の認知度が九七・五%でトップだった。ジャカルタ特別州選挙管理委員会によると、選挙は来年七月十一日の実施を予定。首都で二回目となる直接選挙では、激しさを増す交通渋滞など都市問題への取り組みが焦点となる。
調査は九月十九―二十五日に八百四十五人を対象に行った。
認知度で二位に付けたのはテレビ司会者や歌手から国会議員に転身したゴルカル党のタントウィ・ヤフヤ氏で九一・五%。三位はプリヤント現ジャカルタ特別州副知事で六六・五%。
三七・四%の福祉正義党(PKS)ジャカルタ特別州支部のトリウィサクサナ支部長が続き、今月中旬に政党からの推薦を受けない「独立候補」として出馬することを表明したインドネシア大の著名経済学者のファイサル・バスリ氏は三六・八%だった。
ファウジ氏が現職の強みを生かして認知度でリードする一方、好感度ではタントウィ氏が七九・八%で一位。ファウジ氏は五四・七%で差を付けられた。
ファウジ知事はこれまでに再出馬の意向を示唆しているが、民主党は「都市開発の失敗」を理由にファウジ氏を推薦せず、ジャカルタ支部長のナフロウィ・ラムリ氏を推薦する方向で検討。PKSはトリウィサクサナ支部長を推薦する方針を示している。
インドネシア大の政治評論家イブラムシャ氏は「四年間、知事を務めていれば市民に認知されるのは当然」と述べた上で、「しかしこの間、ファウジ氏は明確な変化を起こせていない。交通渋滞は依然として重大な問題であり、予算の拠出は雑然としている」と厳しい評価を下した。
当時副知事を務めていたファウジ・ボウォ氏は二〇〇八年八月、首都で初めてとなる直接投票の州知事選挙でPKSの候補を破って当選した。