東カリマンタン州2県へ ジャワ島一極集中を是正 新首都移転先発表

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は26日、インドネシアの首都を東カリマンタン州のプナジャム・パセル・ウタラ県北部分と、クタイ・カルタヌガラ県の一部を範囲とする地域に移転すると発表した。広大な国土の政治・経済の主要機能がジャワ島に集中している状態を是正し、地方開発を進める。歴代政権で構想倒れに終わった「新首都」計画の実現には、国民の関心を高めた上での具体的な議論が必要になる。

 ジョコウィ大統領は同日、中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)で記者団に対し、「洪水、地震、津波、森林火災、火山噴火、地滑りなどの災害リスクが少なく、インドネシアの中心に当たる地点にある。開発が進む州都サマリンダとバリックパパンに近く、インフラが整っている」と説明した。
 首都移転については、従来から土地収用が課題になる、という意見があるが「18万ヘクタールの政府所有の土地がある」として他と比較しても優位であることを示した。
 2021年から建設を開始し、24年から政府や議会機能などの移転を段階的に進めていく。中央銀行や金融庁(OJK)などの金融セクターはジャカルタに残ることが検討されており、移転する官公庁についての議論が続く。完全な機能移転完了はインドネシア独立100年を迎える45年を目標とする。
 14年の大統領就任以来、離島開発を進めてきたジョコウィ大統領は「ジャワ島には総人口の54%に相当する1億5400万人が住み、国内総生産(GDP)の58%を生み出している」と現状を話した。中でもジャカルタの過密ぶりを「負担が重すぎる」と問題視し、移転の意義を強調した。

■国家予算は19%のみ
 移転にかかる予算は、466兆ルピアまで膨れ上がることを想定している。19%を国家予算から配分し、残りは民間資金活用型の官民連携(PPP)や、プロジェクトベースで企業による投資で募る考えだ。国家予算については財源をどの分野に求めるかの議論は深まっておらず、民間投資も数百兆ルピアまで集めた経験はないため、先行き不透明感がある。
 福祉正義党(PKS)のマルダニ・アリ・セラ党中央幹部委員長など野党幹部は、移転計画の実現性を疑問視する。マルダニ氏は「膨大な政府支出が必要。国民にかかる経済的負担を説明する必要がある」と指摘する。別の野党幹部も「国民的な議論が高まっていない中で計画だけ一人歩きしても、うまくいかないだろう」と語る。
 スカルノ初代大統領が1957年に、中部カリマンタン州の州都パランカラヤに首都を移転させる考えを示して以来、スハルト政権やユドヨノ前政権時代にも首都移転構想は浮上しては実現しなかった経緯がある。
 今回の移転計画への投資については現状、建設系の国営企業や一部の不動産業が興味を持つ状態にとどまる。具体的な計画作りを進め、提示していくことが投資を募り、国民の支持を集めるためにも必要となる。(平野慧)

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