ソーメンに合うのはどれだ⁉ 単身赴任の強い味方 サンバル3種類食べ比べ

 新型コロナウイルスの影響で、家族が帰国して単身赴任となった邦人の中には、慣れない自炊に悪戦苦闘しているという人も少なくないのではなかろうか。記者も「大規模社会的制限(PSBB)」の影響で、近所の飲食店が閉店してしまい、もっぱらソーメンばかり食べているのだが、当然、飽きてしまう。そこでは今回は市販のサンバルを、ソーメンに合わせて食べ比べしてみた。

 ご存知の通り、サンバルとはインドネシア料理に幅広く使われる辛味調味料。今回は、食品大手ABCの瓶詰サンバルの中から、どこのスーパーでも売られている「サンバル・バラド」、「サンバル・ロア」、「サンバル・トラシ」の3種類をチョイスした。
 結論から言うと、ソーメンに最も合うのは「サンバル・バラド」だった。サンバル・バラドは赤トウガラシをバワン・メラ(小さい赤タマネギ)やニンニクと炒め合わせ、ライムの果汁と塩で味を調えた、パダン料理で多用されるサンバル。すっきりとした辛味が特徴で、麺つゆのうま味や、ソーメンの淡泊な味わいともうまく調和し、アクセントになってくれる。
 続いて試した「サンバル・ロア」は、北スラウェシ州マナド名物。唐辛子とバワン・メラにイカン・ロアという小魚の粉末を混ぜるのが特徴で、よく味わうと、煮干しの様な風味が感じられる。麺つゆとの相性も良く、和風だしに魚介の香りが加わり、「魚粉系ラーメン」のような味わいに変化する。一方で、食べ進めるほどに唐辛子の「ガツン」とした辛味が後引く、インドネシア料理と日本料理を「良いとこ取り」したような一杯に仕上がった。唯一の難点は、相当量のサンバルを入れないと魚介の香りが楽しめないこと。辛い物が苦手な人には厳しそうなので、次点とした。
 「サンバル・トラシ」は、トマトベースのサンバルにトラシと呼ばれる小エビの発酵ペーストを混ぜたのが特徴で、タイの魚醤「ナンプラー」のような独特の香りが食欲をそそる。スプーン一杯入れるだけで、普通のソーメンがエスニック料理風に変化するのでお勧めだ。
 実は上記3種類のほかに、中部スラウェシ州パル名物の「ドゥオ」と、東ジャワ州スラバヤ名物の「サンバル・プティス」も試してみたのだが、どちらもソーメンとの相性はあまり良くなかったため、今回は説明を割愛させて頂く。とは言え、インドネシアには地域によって、実にさまざまなサンバルが存在する。新型コロナ収束後に地方を旅行することがあれば、日本食に合いそうな「ご当地サンバル」を探してみてはいかがだろうか。(高地伸幸、写真も)

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