【この店おすすめ】 「甘辛酸」のチャンプルに病み付き

 インドネシアへ来た当初は抵抗感があったが、徐々に好物に変わっていったインドネシア料理が多くある。牛肉をココナッツミルクで煮込んだ「ルンダン」がその代表格だが、今回の「ペンペ」もその一つ。不思議な形状の練り物を最初に手にしたときは恐る恐るだったが、今では紹介者のファレンティンさん(24)が「甘くて辛くて酸っぱくて、全部の味がチャンプルして(混ざって)いるところが本当にインドネシアっぽいでしょ」というペンペにすっかり病み付きになっている。
 ペンペはもちもちとした食感が特色の白身魚の練り物に、酢や黒砂糖などで作ったつゆをなみなみと注いで食べる南スマトラ州パレンバンの名物料理。インドネシアでは定番の部類に入る料理だが、試したことのない人も多いのでは? ジャカルタ中心部ではあまり見かけないが、華人が多いパレンバン名物だけあって、華人の多いクラパガディンやマンガドゥアでは多くの店がある。
 「クラパ・ガディン161」は名前の通り本店はクラパガディンにあり、南ジャカルタ・ラディオ・ダラム店も記者が訪れた昼時にはほぼ満席になっているなど、ペンペの人気店だ。
 ペンペは、丸めて肉団子のようにしたり、細長く棒状にしたり、麺のような形にしたり、中に他の具材を入れたりして食べる。記者の一番のおすすめはゆで卵が中に入ったカパル・セラム(潜水艦、1万7千ルピア)。ペンペからしみ出る魚のうまみと黄身のマイルドさ、ペンペにはつきものの練った緑トウガラシの辛さを加えた甘酸っぱいつゆが絶妙にマッチする。
 魚の皮も一緒に練り込んだペンペ・クリット(7千ルピア)はより魚の味が濃厚で面白い。ゆで麺のミー・クニン(千ルピア)を添えるのも定番だ。
 ゴレン(揚げ)とルブス(ゆで)の2通りが選べるが、サクサク感が同時に味わえるゴレンがより一般的。だがもちもちとした食感をよりダイレクトに堪能できるルブスも捨てがたい。ルブスの状態で持ち帰って、家で揚げて食べることもできる。
 いろいろな味を「全部混ぜちゃえ」という発想は日本料理ではあまりなさそうだが、「魚でできてて、油っこくもなくて健康的。日本人も好きになるのでは」とファレンティンさん。主食として食べられることが多いが、お酒のつまみにも最適だ。(関口潤、写真も)

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