【この店おすすめ】 焼き立ての魚をどうぞ

 バリ島在住18年になる恒吉彩生子(たみこ)さんはプロの漫画家だ。創美社発行の月間女性漫画雑誌「オフィスユー」で読み切り作品を描いている。漫画制作、2人の子育て、家事を全部1人でこなす恒吉さんだが、最近、外に出かける余裕が出てきたそうだ。そんな恒吉さんが、名前も住所もない所で良ければと、焼き魚の屋台を薦めてくれた。
 バリ島南部から東部のカランアセム方面へ伸びるバイパス・イダバグースマントラ通り。右手に海を見ながら数キロ走った道路の脇に目印のビーチパラソルが立っていた。煙が立ち昇り、魚が焼き上がるのを待っている人がいる。その横にプラスチックの椅子と粗末なテーブルが一つ。「え、ここで食べるの?」と思っていると「今日の魚はカツオ。海から揚がったばかりだよ!」と魚を焼いていた屋台主のコディさんが声を掛けてきた。
 辛味のあるソースを塗って焼いたカツオ1匹、茹でた空芯菜を唐辛子ソースであえたプレチン・カンクン、これにご飯がついて1万3000ルピア。カツオは中までしっかり火が通っているのに、ふっくら。血合い肉が多いが生臭さは全くない。
 「近くの港で漁師から直接買うのよ。今日はカツオだけだけど、マナガツオやマグロが入るときもある」とコディさん。コディさんは、午前中は港の近くでワルンを経営し、昼過ぎからここで店を開く。食べている間にもオートバイや車がしょっちゅう止まり、魚を買って行った。
 恒吉さんは今年2月、ジャカルタで開かれたジャパン・ポップカルチャー・フェスティバルで3メートルの紙に即興で竜の絵を描くデモンストレーションを行い、大きな注目を集めた。「子どもたちが大きくなったので、バリで漫画教室を開いたり、作品の展示会をしたい」と話す恒吉さん。これからの活躍が楽しみだ。

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