【この店おすすめ】 記者たちのたまり場

 英BBC、米CNN、米ブルームバーグ、豪ABC‥。インドネシアに支局を持つ海外大手メディアやフリーのジャーナリストが集まるたまり場がある。中央ジャカルタ・メンテンのフェイス・バーだ。
 1992年に開店。五月暴動や爆弾テロ、スマトラ沖地震・津波など、世界に衝撃を与えた大事件や事故が発生し、記者たちは店で互いに情報交換をしながら動向を追った。今も月に1回、ジャカルタ外国人特派員クラブ(JFCC)のメンバーが集まる交流会が開催されている。
 「クパンに密着して映像を撮り続けているんだ」。東ヌサトゥンガラ州の州都は、今も貧困問題が深刻。この日、フリーのビデオカメラマンとして活動しているマイケル・マテンさん(40)は現地で活動する非政府組織(NGO)の撮影に向けたミーティングに参加。「悪い悪い、話が長引いてね」。待ち合わせの時間から1時間遅れて店にやってきた。
 バーテンダーを囲む四角い木製カウンター。対面の席ではインド人の記者たちが会話に花を咲かせていた。並べられたウイスキーやスコッチ、ワイン、リキュール‥。世界各地の酒は、記者たちの疲れも癒やしてきたのだろう。
 バーは、アジアン・レストランチェーン「フェイス」の1階にある。同チェーンは92年にジャカルタで開業し、現在はバンコクと中国3都市に支店を持つ。屋内には、開店当時から続いているインド料理店「ハザラ」と96年に開いたタイ料理店「ラン・ナ・タイ」が営業している。
 インド料理のサモサ(4万5000ルピア)やケバブ(6万2000ルピア)、タイ料理のポピアトート(揚げ春巻き、5万5000ルピア)を注文し、ビールを飲み交わしながらマイケルさんとインドネシアの将来について語り合った。
 「難しいと考えれば解決は遠い。策は必ずある」。マイケルさんの哲学だという。これまでにも世界の難題について、カウンターでさまざまな国籍のジャーナリストたちと議論を交わしてきた。
 「君は何を追っているんだ。そうか、なら友人を紹介しよう」。またバーで会う約束をし、グラスビールをともに飲み干した。

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