円借款1189億円 パティンバン港建設 日本政府供与 (2017年11月14日)

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 日本外務省は13日、日イ両政府が計画を進めている国内最大規模の国際貿易港、西ジャワ州パティンバン港建設事業で、インドネシア政府に対する総額1189億600万円の円借款供与に関する交換公文の署名を行ったと発表した。入札による建設業者決定後に着工、2019年3月に一部開港を目指す。

 石井正文駐インドネシア大使が同日、デスラ・プルチャヤ外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長と交換公文の署名を行った。供与については12日にマニラで行われた日イ首脳会談で、安倍晋三首相がジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領に表明していた。
 新港建設の背景には、首都圏唯一の港であるタンジュンプリオク港(北ジャカルタ)の貨物輸送量の増加や、渋滞による同港へのアクセス悪化などがあり、投資促進に欠かせない案件として注目されている。
 円借款は建設初期段階に当たるフェーズ1の第1期が対象。総事業費1440億円のうち、用地取得費用や税金などを除く83%に当たる。金利は年利0.1%で、償還期間は40年。日本企業も一部関与する日本タイド方式が採られる。
 運輸省によると、第1期ではターミナルの埋め立てや建設、防波堤や連絡橋の整備、国道へアクセスする約8キロの道路建設などが行われる。入札プロセスはすでに始まっており、建設業者の決定次第工事を始める。19年3月にカーターミナル部分の開港、12月に先行開港を予定している。
 オペレーターの選定は来年行う。関係者によると、日本側が49%の比率で参画、インドネシア側が51%で国営港湾管理第2ペリンドが25%を占める方向。
 第1フェーズ事業完成の2年後、24年には20フィートコンテナ換算(TEU)で年間80万個、完成車取扱量は同36万台を見込む。運輸省の計画ではそれ以降も拡張を続け、タンジュンプリオク港に並ぶ港として発展させていく。
 新港建設については12年から日イ両国政府が同州カラワン県チラマヤで建設する方向で調査を進めていたが、船舶の航行や石油ガス生産への影響を懸念する国営石油ガス・プルタミナなどの反対により中止された。その後運輸省が代替地の調査を始め、16年5月にパティンバンに建設すると決定した。

■UGM産学連携も
 同日には、ジョクジャカルタ特別州のガジャマダ大学(UGM)の産学連携施設整備計画についての円借款供与の交換公文の署名も行われた。
 供与額は83億900万円。金利は変動金利で下限は年利0.1%。償還期間は25年で、調達対象国を全ての国・地域とし、指名先を限定しない一般アンタイド方式を採用する。
 同大7学部などの設備や機材を整備し、研究および製品開発の推進、人材育成に寄与することを目指す。
 詳細設計を進めた後、工事業者の入札手続きに進む予定だ。(平野慧)

署名する石井大使(左)とデスラ外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長=日本大使館提供
署名する石井大使(左)とデスラ外務省アジア・太平洋・アフリカ総局長=日本大使館提供

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