【この店おすすめ】 田舎風景とアヒル料理

 オープンエアのジョグロ家屋の前に、デンパサールにいるとは思えないのどかな田園風景が広がっていた。その向こうには雲を頂いたバリ島の霊峰アグン山が青くうっすらと見える。
 「家からオートバイで5分とかからない距離なのに、まるで遠出したような気分になれる店。気分転換したいときに」とバリ在住12年の佐々木理子さんが薦める「ワルン・ベベック・ドゥマ」でお昼を食べた。
 ベベックと名乗っている通り、店の看板商品はアヒル料理だ。アヒルは輸入物とバリ産があり、調理方法はグリルまたは揚げ、味付けは甘めのジャワ風かスパイシーなバリ風から選べる。私が頼んだのはバリ産アヒルで、味付けはジャワ風。アヒル半羽、ご飯、野菜料理とのセットで6万5000ルピア。
 アヒルの肉は鶏肉と違って歯ごたえがあり、味が濃厚だ。ブンブ(調味料)の甘さがもう少し控え目なら、アヒルらしさがより際立ったかもしれない。次回はスパイシーなバリ風を試したい。
 付け合せの野菜はバリのサユールウラップにした。サユールウラップとは茹でたササゲやモヤシなどを、辛味を加えたココナッツであえたバリの温野菜サラダだ。
 ここに来たらいつもアヒル料理を食べている佐々木さんだが、今回はアヒルの他に「ソップイカン(魚のスープ)」(3万5000ルピア)を追加。ウコンをベースにしたスープの中にバワール(マナガツオ)のぶつ切りがごろごろ入っていて二人で分けても十分な量だ。スターフルーツの一種で酸味の強いブリンビンブルという果実が使われているせいか魚の臭みがない。「トウガラシが切られずに丸ごと入っているのもいいですね。辛さがほどよく、さっぱりした風味でアヒル料理に合います」と佐々木さん。
 刈り入れ時の田んぼからそよぐ風が心地良い、ワルンというよりレストランの雰囲気の店だ。ゆっくりしたかったので、最後にすりおろしたチーズとチョコレートソースのかかった「ピサンゴレン(揚げバナナ)」(1万5000ルピア)をバリコーヒーと一緒にいただいた。

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