【この店おすすめ】 ほっとする日本の味
バリ島サヌールに2店舗を構えるラーメン店「ごん太」。コモド島や西パプア州のダイビングクルーズを扱う旅行代理店「ルンバルンバ」経営の藤原陽子さんのおすすめだ。「ごん太」は自称「ラーメンおたく」だった菅道廣さんが開いた店。東京で会社を経営して40年。「老後をのんびり過ごそうとバリに引っ越したものの、何もしないでいることに我慢できなくなり、大好きなラーメンを商売にした」そうだ。
藤原さんが注文したのは「ツナ・ラーメン」(5万5000ルピア)。上に乗せたマグロのスライスをシャブシャブ風に味わうしょう油味ラーメンだ。「まず麺が特別。スープは塩辛さやコショウの効き具合が程よく、最後まで飲めるのが嬉しい」と藤原さん。
麺は独自のレシピで作っている自家製だ。歯応えがあり、スープとよく絡むちぢみ具合。だしは日本から持ち込んだカツオ節や昆布の他、マグロの頭、ニンニク、ショウガ、リンゴなど12種類の素材で作っているそうだ。
私が試したのは大きなバターの塊を添えた「塩バター・ラーメン」(5万3000ルピア)。バターとラーメンの組み合わせを食べるのは初めてだったが、あっさり塩味と無塩バターのリッチな風味の相性がぴったりで、大きな音を立てながら一気に食べてしまった。これはメニューにはないが、リクエストすれば作ってくれる。
客の七割を占めるというインドネシア人の口に合わせた「激辛ラーメン」(辛さに合わせて4万8000ルピア―5万5000ルピア)も藤原さんのおすすめ。「日本人ならたいていラーメンが好きなんで、日本から友人が来たらここに連れて来ます。とても満足してもらえますよ」
お酒を飲んだ後、小腹が空いた夕方、病み上がりでインドネシア料理が口に入らない時、ほっとする「日本の味」だ。「ごん太1号店」には管さんが日本から持ってきた単行本や漫画本などが約3000冊置いてあり、無料で借りることができる。