【スナンスナン】遠隔地の味をクマンで シェフ自ら旅して見聞広げ ヌサ (2016年10月28日)

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 1万3千以上の島々からなるインドネシアには、どんな料理本にも載っていない地方の味付けや調理法がごまんとある。その見聞を広げるために国内を旅して回り、遠隔地の味を南ジャカルタ・クマンに持ち帰った有名シェフが腕を振るう伝統料理が話題を集めている。

 「本日のメニューはこちらです」。内容を聞くと、耳にしたことのない料理名や食材、普段行くことがない地名が次々と飛び出した。
 この日はマルク州アンボンの家庭料理を元にした「コフ・コフ・ツナ」や、北マルク州テルナテの郷土料理に手を加えた「ゴフ・ロブスター・アイル・タワル」など前菜5品、スープ2品、主菜6品、デザート6品がメニュー。ドリンクはモクテル(ノンアルコール・カクテル)のほか、バリの赤・白ワインもある。
 コフ・コフは豆もやしやインゲンに似たチョウマメなどの野菜と細かく削ったココナツにアサップ(魚の薫製)を混ぜて作るサラダ。ゴフはテルナテで食べられる日本の刺身に近い一品。「アチェやマナド、マルクの魚は驚くほど新鮮。ジャワやフローレス島は自然を楽しむにはいいが、魚介類を楽しむならこの地域。アチェのロブスターは最高級」と料理長のラギル・イマム・ウィボウォさん(44)は力説する。
 2003年まで8年間、中央ジャカルタのホテル・グランドハイアットで働き、レストラン「シーズ・ステーク・アンド・シーフード」では料理長も務めた。独立後の04年から、大きなデーパックやテントを持って、妻や世界自然保護基金(WWF)の仲間らと各地の料理を求め10カ所以上巡った。「教わる相手の多くは主婦で快く受け入れてくれた。レシピはもちろんなく、時にはビデオを撮って研究した」
 その後「各地で集めた素晴らしいインドネシアの味をジャカルタに持ってきたかった」と、博物館やギャラリーなどで数日だけの即席レストランを始めた。「(イベントが終わる度に)もったいないという気持ちが強くなっていった。そして良い場所を探しやっとオープンできた」。
 11年から3年間、トランスTVの料理番組「マカン・ブサール」にリポーターとして出演した。広報のニンダ・ダイアンティさんは「各地の食材を新鮮なうちに取り寄せている。仕入れ状況でメニューが変わるので、訪れる度に新しい発見がある」と話した。
 店名の「ヌサ」は「島々からなるインドネシア」を意味するヌサンタラを縮めた言葉で、8月17日の独立記念日に開店した。3品コース(35万ルピア)と5品コース(55万ルピア)があり、注文時に料理を選ぶ。予約時は当日のメニューを確認できる。いずれも西カリマンタン州産の赤米がセットになっている。(中島昭浩、写真も)

◇NUSA Indonesian Gastronomy
住所 Jl. Kemang Raya No.81, Kemang, Jakarta Selatan
☎  021.719.3954
平日 午後6時〜同11時半
土日 正午〜午後3時、同6時〜同11時半

薫製にしたマルク州アンボン産マグロの身をほぐし、野菜と混ぜて丸くかたどった「コフ・コフ・ツナ」。バリ州のココナツオイルを絡め、チョウマメの花からとった青みがかった紫のエキスが回りを彩る
薫製にしたマルク州アンボン産マグロの身をほぐし、野菜と混ぜて丸くかたどった「コフ・コフ・ツナ」。バリ州のココナツオイルを絡め、チョウマメの花からとった青みがかった紫のエキスが回りを彩る
新鮮なアチェ州のロブスターを材料に使った「ゴフ・ロブスター・アイル・タワル」
新鮮なアチェ州のロブスターを材料に使った「ゴフ・ロブスター・アイル・タワル」

どのコースにもついてくる「赤米」
どのコースにもついてくる「赤米」
バンカブリトゥン州バンカ島のマッシュルームと鶏肉を土釜で6時間焼き上げ、ブラッドオレンジのソースを添えた「アヤム・ルンパ・クラ・プラワン」
バンカブリトゥン州バンカ島のマッシュルームと鶏肉を土釜で6時間焼き上げ、ブラッドオレンジのソースを添えた「アヤム・ルンパ・クラ・プラワン」

テレビにも出演していたシェフのラギルさん
テレビにも出演していたシェフのラギルさん
店の外観。1922年に建築され、入居前はギャラリーとして使われていた。最大50人のパーティーにも対応する
店の外観。1922年に建築され、入居前はギャラリーとして使われていた。最大50人のパーティーにも対応する

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