日イが芸術交流 ジョクジャASPギャラリー

 ジョクジャカルタ市パラントリティス通りにある、ギャラリーとスタジオを兼ねた「アーティスト・サポート・プロジェクト(ASP)」で、日本とインドネシアのアーティストが18日から展示会を開く。ASPはジョクジャカルタ在住のアーティスト、横内賢太郎さんが昨年オープン、日イの芸術家らが交流を深める場として定着してきた。                

 ソロ在住の高屋佳乃子さん(24)とジョクジャカルタ国立芸術大学(ISI)絵画科のフダトゥラさん(29)が共同で「ガラガラ・モチーフ(モチーフのせいで)」と題した展示会は7月2日まで。
 京都出身の高屋さんは家系や血統、家柄を表すために用いられてきた紋章や家紋をお面に、ロンボク島出身のフダトゥラさんは、同島独自の織物「イカット」の文様を絵画に落とし込んだ。
 「日本人として、日本文化を作品を通して見せられないか」と考えた高屋さん。以前からバティックの文様を顔のパーツなどにコラージュしてきた。「バティックも家紋も、花や植物、動物などをモチーフにデザインされており、それぞれ意味がある」と話す。
 フダトゥラさんはインドネシアの童話や民話からさまざま場面を取り入れ、油彩で作品を描く。フダトゥラさんもインドネシアのモチーフを取り入れた作品を作っており、今回の展示会のテーマはすぐに決まったという。フダトゥラさんは「2人で作品を仕上げるのは本当に楽しい。今回は笑いや皮肉っぽいところがあって興味深いロンボクの昔話も取り入れた。華やかなモチーフで絵画を満たした」と話した。
 高屋さんは2014年9月に来イ。高屋さんの母がアジア雑貨の買い付けでバリ島をよく訪れており、幼いころから年に1〜2回、同行していたという。京都精華大学2年の時にはバティックを使った作品を作るようになっていた。留学のきっかけは、バティック研究家で国士舘大学の戸津正勝名誉教授から「ソロに行きなさい」とアドバイスされたことだったという。
 1年目はダルマシスワ奨学金でスブラスマレット大学(UNS)のインドネシア語コースへ。1年では足りないと2年目にスラカルタ国立芸術大学(ISI)に私費留学で在住している。来イしてからは舞踊や儀式で使用するお面の魅力に取りつかれ、職人の下で制作するなどしてきた。「今後はバンドンやジャカルタで展示会を開き、反応を見てみたい」と話した。

■名古屋芸大もコラボ
 ASPでは11日まで、名古屋芸術大学の講師・卒業生6人とISIの講師・学生6人が展示会「名古屋とジョクジャカルタ」を開いた。「私は誰か?」をテーマに作品を展示。絵画や版画、映像、壁画などそれぞれの表現技法で仕上げた作品が並んだ。
 日イがコラボする展示会を企画した横内さんは「技法や考え方を共有し、刺激を受けることで今後の美術や生活に生かしてほしいとの思いで企画した。似ている部分も異なる部分も、同じ展示会場で見ることができて面白かった」と話した。APSの詳細はウェブ(aspparangtritis.weebly.com/)で。(毛利春香)

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