【この店おすすめ】 親しみやすいマナドの味
マナド出身のジョシュアさん(28)に、ジャカルタで最も古く、最も美味しいマナド料理屋と太鼓判を押す「チャク・トゥ・チ」を案内してもらった。ダイビングスポットとして知られるマナドは、美しい海で穫れる海産物も美味だという。
高校時代に日本のバンドのファンになって以降、日本通であるジョシュアさんは「ジャワやスマトラの料理は、香辛料やサンバルをたくさん使っているけれど、生きのいい魚に事欠かないマナドは、素材の味を生かしている。魚の調理方法も、日本みたいに塩焼きが多い」と共通点を教えてくれた。
「この店は魚を競り市場でなく、漁師から直接仕入れている。オーダーをとってから料理を作るからいつもできたてだ」。3年前にたまたま入ってから、やみつきになり、今でも週に一度は足を運ぶ。
「ほぼ全メニューを制覇した」というジョシュアさんのおすすめはイカン・ゴロパ・クア・アサム(4万8000ルピア)。野菜のカンクン・チャー(2万1000ルピア)などに加え、記者はナシゴレン・ツナ(2万9500ルピア)を注文した。
待ち時間は20│30分と長めだが、ジョシュアさんの「待つ価値がある」という言葉に納得。イカン・ゴロパ・クア・アサムは、ネギ、トマト、白身魚(ハタ)が入ったトムヤム風味のスープ。酸味と白身魚の素材の味が絶妙に絡み、記者は思わず「エナック」と唸った。
ナシゴレン・ツナはオムライスのように玉子に包まれている。ツナを使った料理に馴染みがある日本人にとって親しみやすい味だ。
デザートのエス・カチャン・マナド(2万ルピア)は、インドネシア版金時かき氷。かき氷の上に大粒のあずきがたっぷり乗り、カカオパウダー、コンデスミルク、チョコレートシロップがかけられたもので、口の中に二重、三重の甘味が広がる。懐かしさを感じさせる料理に、改めて日イの共通点を見出した。