【この店おすすめ】 庶民の味を楽しみたい
庶民が食べに来る店に行ってみたい。願いをかなえてくれたのは、ディア・ノフィアンティさん(25)、ヘンドラ・グナワンさん(26)。結婚ほやほやのカップルだ。2人とも西ジャワ州バンドン出身のスンダ人。ジャカルタの中華料理店でウェイトレス、料理人として働いている。
スンダ、ブタウィ料理を出す店内には、ブタウィ人コメディアンのオピー・クミスさんや、スンダ人ダンドゥット歌手のアニサ・バハルさんが来店した当時の写真が並ぶ。1989年創業で、3000―4万ルピア以内の相場が、若年カップル、ビジネスマンに大人気だ。
ご飯をはじめ、スープ、鳥の素上げの盛り合わせ。ノフィアンティさん一番のおすすめは「ナシ・ティンブル・コンプリート」(2万1900ルピア)。ナシ・バカール(単品5900ルピア)は、塩味の利いた小魚イカン・テリ・メダンがサンバルと絡む。少々味が濃いが、エス・テー・マニスで舌を休ませれば、ちょうどいい。
注文した料理が来るまで、無料のサラダバーをサンバルでほお張る。トマト風味やサンバルを揚げたものなど辛さも味もさまざま。計6種類を選べる楽しさがうれしい。
タマリンドの果実から作ったサユール・アセム(スープ、単品3500ルピア)は、タマリンドのやさしい酸味に、たまねぎと砂糖の甘味が絶妙に合う。たっぷり入ったかぼちゃやピーナッツが健康的。ノフィアンティさんはバンドンにいる母の味を思い出す。忙しい日々の中で、故郷が懐かしくなると、ここでサユール・アセムを食べるという。「やっぱり故郷の味が一番」と微笑んだ。