【この店おすすめ】 カラフルなパエリア
「ボリュームたっぷりのパエリアが食べられるお店がある」と勧めてくれたのは、フラワー・アレンジメント、ゴスペルサークルと精力的に活動する伊藤都さん、ヨガ講師の亀沢久子さん。南ジャカルタのチプテ・ラヤ通りにあるスペイン料理屋「タパス・モヴィダ」だ。スペイン語で「おつまみをつまむ場所」を意味する。
隣、正面で蛍光灯を光らせて存在を主張するコンビニと対照的に、民家のように佇み目立たない外装。軒先に掲げた闘牛の四角い看板が目印だ。週末にはフラメンコ教室が開かれる日もあるという「フラメンコ」をテーマにしたという室内席と、モザイクタイルの椅子などが並ぶガウディの建築をテーマにしたという屋外席があり、スペインらしい雰囲気を楽しめる。
都さんが必ず注文するメニューは、パエリア・デ・マリスコ(6人前、29万5千ルピア)。注文を受けてから調理するため、30―45分ほど待たねばならない。「友達と何人かで来て、すぐに出てくるピンチョスなどをつまみながらおしゃべりをしていると効率がいい」と都さんは同店の楽しみ方を紹介してくれた。
ピンチョスは切ったフランスパンにハムやエビ、チーズ、オリーブなどの食材を載せたもので、同店は19種類を用意。価格は1万7500ルピアから2万5千ルピア。小さな黄色い目玉焼きにピンクのハム、赤いトマトに黄緑色のバジリコなど、きれいな色使いのものが多く、見ているだけでも楽しい気持ちにさせてくれる。
パエリアは、直径30センチはありそうな巨大な専用フライパンに載ってやってきた。黄色いご飯の上を、真っ赤なパプリカ、オレンジピンクのエビ、貝付きの牡蠣、黄緑色の枝豆が彩る。そのカラフルさに「思わず写真を撮りたくなる」と、亀沢さんは携帯電話を構えた。フライパンに付いている「お焦げ」までおいしい。
オーダーは6人前から。3人では食べきれない量だったが、持ち帰り用に包み、店のロゴが入ったオリジナルのトートバッグに入れてくれた。お土産をもらった気持ちになり、お腹も満足、おトクな気持ちになって店を後にした。(堀田実希、写真も)