【この店おすすめ】最高の配慮

 日韓関係が難しくなっているようだが、こと芸能と食事に関してはだいたいうまく行っている。新宿区新大久保のコリアタウンには日本人女性が足を向け、ソウルにはおでん屋や日本風居酒屋がたくさんある。いまをときめく韓国ドラマ、アイドルグループの伏流は日本のエンタテイメント産業にある。そんな例は枚挙に暇がない。
 それにしても日系企業が多数入居するミッドプラザのこの店が出す韓国料理、余りにも辛くない。見た目は赤みを帯びているものも、驚くべきほどマイルドな味をしている。寝不足気味で辛いもので元気をつけようという気分を完膚無きまでに打ちのめした。日本人の舌に合わせた最高の配慮、ということだろう。
 さて会社員のファジャル・ハリムさん(27)、タリア・カランギーさん(25)、イェシー・ウィンドリアニさん(24)は締め切りにきりきり舞いになった記者の強引なる昼食会の誘いに応じてくれた。平均年齢が20代後半の若いインドネシア。彼らのような若者たちが何を選び、何を求めるかがこの国のすう勢を動かす。まだ民主化15年でロケットは発射したばかり。最初に定めた軌道が、後々には大きな違いをもたらす。そういう可能性に満ちた世代だ。
 イェシーさんはよく外食を楽しむそうだ。「海外の食事をよく食べます。中でも日本食はお気に入りです」。確かにジャカルタは日本食に事欠かない。フュージョンから日本人経営の本格店、チェーンとさまざまなレイヤーを形成している。特にフュージョンの日本食は飛躍的な速度で増えているように見える。「ホカホカベントー」の二匹目のどじょうを狙うようにしたベントー屋さんが目に付くようになったし、華人らが独自のニュアンスを加えたラーメン屋もよく見かけるようになってきた。外国人選手に開放した結果、海外選手が活躍するようになる国際大会に成長したウィンブルドンのようにラーメンになるかもしれない。そう、記者が注文したこのランチのカルビミョン(麺)(7万8千ルピア)もこしのあるうどんである。これもウィンブルドン的と言えるかもしれない。(吉田拓史、写真も)

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