【この店おすすめ】小皿料理をお酒と一緒に
バリ島のヌサドゥアに小皿料理を出すおしゃれな店があると、ここからほど遠からぬところに住む上川より子さんが教えてくれた。高級大型ホテルが立ち並びAPECなど数々の国際会議の舞台となるヌサドゥア。これまでは南の果てというイメージだったが、先月開通した海上高速道路のおかげでかなり行きやすくなった。
店の名前は「タパ」。ホテルのザ・バレが今年6月にオープンしたビストロ・タイプのレストランで、約50種類の料理は全て小皿料理。居酒屋メニューのように、生もの、揚げ物、グリル、炒め物、蒸し物などに分かれている。
生ビール(3万5千ルピア)で乾杯の後、まず「タイ風チキンサラダ」(4万ルピア)を。ライムのドレッシング、バワンメラ、生ミントの程よい酸味と刺激で食欲が増す。自家製パンにつけて食べる「オリーブとアンチョビのペースト」(4万5千ルピア)はペーストがたっぷりでパンを追加した。
「スパイシーチキンの串焼き、インド風カレーとヨーグルトソース添え」(4万5千ルピア)は、とろりとした濃厚なソースが印象的だ。パンにつけてもおいしい。
柔らかい「甲イカのチリソルト タイ風ナムジムソース」(4万5千ルピア)、中華風「緑野菜のオイスターソース炒め」(2万ルピア)、「マグロのクリスピー海苔巻き、ワサビのシャーベットと味噌ソース」(6万ルピア)と続けて注文し、テーブルの上が料理で一杯になった。
「手の込んだ料理を少しずつ、豊富な種類のお酒と一緒に楽しめるところが居酒屋風で日本人好み」と上川さん。タイ、中華、和食、カレーなどの要素を組み合わせたアジアン・フュージョン料理を話題に会話がはずんだ。
シェフのベニーさんは、元々はインドネシア料理の専門家だ。ザ・バレで創業以来12年間働いた後、今はタパのキッチンを任されている。「一番のお勧めはポークリブ。海鮮醤とオレンジソースでマリネしてからグリルしたもので、とってもジューシー」とのことだ。(北井香織、写真も)