【この店おすすめ】スパイス効いた本場の味

 インド料理を食べたいという筆者の希望に応え、クニンガンにあるこの店を紹介してくれたのはディヤン・ジャリさん(31)。中部ジャワ州ブルべス出身で、ボゴール農科大(IPB)卒業以来ジャカルタで働いている。「休日にはよく友人と欧米料理などを食べるけれど、マカッサルやスンダの料理も好き。多様な料理を楽しめるのはジャカルタで働く人への『ボーナス』のようなものね」と話した。
 パキスタンとインドの料理約150種をそろえ、メニューはとても豊富だ。羊肉をトマト、バターなどで煮込んだ「マトン・カダヒ・ラホリ(11万ルピア)」はとても柔らかく、カルダモンやシナモンなどのスパイスが効いて肉の臭いがほとんどない。 
 店主のシャヒッドさん(52)は「客の半分はインドネシア人だよ。欧米人の好みに合わせてスパイスの量を控える他のインド料理店では約1割。この店の料理長は71年にインドネシアに来た初めてのインド人シェフで、伝統に従った本物の味を提供するよ」と話した。
 もう一つ頼んだ主菜「フィッシュ・コック(8万5千ルピア)」は、素揚げした柔らかな白身魚に濃いソースをかけた一品。それぞれの料理に使うスパイスの基本は同じだが、組み合わせが違うだけで風味が大きく異なる。全粒粉を使ったタワ・パラタ(2万2千ルピア)やプレーン・ナン(1万5千ルピア)と、ソースまで残さず楽しんだ。
 デザートには、牛乳で作ったアイスクリーム「クルフィ(2万5千ルピア)」を頼んだ。濃厚なのにさっぱりとして、上に振りかけられたピスタチオが良く合った。 
 気さくなシャヒッドさんも交えて話をするうちに、つい長居してしまった。「外では水たばこのシーシャ(4万5千ルピア)も楽しめるよ。話すうちに意気投合して、今では家族同然のお客も多いよ」
 「お客が一番多い時間帯は午後9時以降。インドネシア人は昼食の量が一番多い。逆にインドでは寝る前に多く食べる。眠気を誘ってくれるからね」と食習慣の違いを指摘するシャヒッドさんに、ディヤンさんが「言われて初めて気が付いたわ」と笑った。(宮平麻里子、写真も)

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