JJM 音と食で彩る祭り

 ジャカルタ日本祭り(JJM)オープニングイベントでは、アイドルグループのJKT48、日本のコーラスや伝統音楽のグループ、インドネシア人学生日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」などが公演した。会場では、毎年恒例のマグロ解体ショーや、日本食レストランで腕を磨いたインドネシア人職人による「寿司バトル」が繰り広げられ、日本の食文化をアピールする機会になった。

◇「桜よ」で会場一体に
ポップスから伝統音楽
 会場は満席、立ち見客がステージに向かって押し寄せる。左右の通路は10〜20代を中心とする若者たちでびっしり。赤や青、緑など色とりどりのサイリウム(ペンライト)を振って、少しでも近くで見ようと必死だ。
 開幕のあいさつや祝い太鼓、餅つきの後、会場の照明が落とされる。「JKT48!」。司会の紹介で、16人のメンバーが元気よくステージに上ると、観客は大歓声で迎えた。JKT48は今年で結成2年目。オープニングを飾った16人のメンバーは昨年加入し、「チームK?」を結成した2期生たち。既に熱狂的なファンを獲得し、若年層の「日イの懸け橋」となりつつある。
 早稲田大学の学生のアカペラグループ「ストリート・コーナー・シンフォニー」はタイのチュラロンコン大学のアカペラグループと「スタンド・バイ・ミー」などを熱唱。インドネシアの人気歌手イメルさんやララさんとも共演し、観客が手拍子をするなど、一体となって会場を盛り上げた。
 大江戸助六流太鼓の迫力ある太鼓のパフォーマンスに続き、日本から訪れた後藤直子さん、幹子さんの姉妹グループ「花てまり」が琴とフルートを演奏。瞳を閉じ、じっくりと耳を傾ける観客もいた。
 オープニングイベントの最後を飾ったのは、インドネシア人学生日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」。現役のメンバーだけでなく、メンバーの友人や卒業生などに声を掛け、この日は総勢250人がステージに立った。
 東日本大震災の被災者応援歌「桜よ」では観客と一体になった。「世界の真ん中で咲き誇れ」。震災後に完成させたオリジナル曲。日本を励ます歌詞に安倍晋三首相も感動し、演説などに取り上げたことで知られる。この日はこれまでの活動などを紹介する映像を映しながら熱唱した。
 メンバーのリズマ・メガワティさんは「この曲を歌う時、日本や家族のことを思い出します」と話す。合唱が終わると、観客は温かい拍手を送った。(山本康行、写真も)

◇包丁さばきに感心
マグロ解体と寿司バトル

 マグロ解体ショーでは、日本にも輸出されるマグロの産地・バリで水揚げされた重さ65キロのキハダマグロが登場。邦人料理人が瞬く間に三枚に下ろし、部位ごとに小分けにしていった。
 プロの包丁さばきを間近で見ようと、調理台周囲には大きな人だかり。作業の合間には、手順や、「カマ」や「トロ」など、部位についての説明があり、来場者は興味深そうに見入っていた。実際の作業を初めて見たという大学生のギアンドラさん(22)は「スムーズさと素早さに驚いた」と感心していた。
 一方、寿司バトルには、日本食レストランに2〜13年間務める20〜40代の職人9人が参加した。マグロやサーモンなど7種類のネタで作る握り計28貫と、太巻きと細巻きを調理。ニンジンなどを包丁で細工した飾りを添え、見栄えにもこだわった。
 寿司協会の森屋和男会長や川奈和彦顧問、鹿取克章駐インドネシア日本大使らのほか、抽選で選ばれた会場のインドネシア人2人も加わり、「盛りつけのバランス」や「仕事ぶり」、「味」を採点。合計点で1〜3位、ユニークな寿司を作った職人を表彰した。
 森屋会長は結果発表後のあいさつで、「回を重ねるごとに寿司調理の技術が進歩向上していることを実感する。日イ両国の友好を食の文化で日々支え頑張っている」と講評した。審査員に選ばれた来場者の大学生メガ・ノフィ・ウタミさん(18)は、寿司を食べるのは初めてというが「いろんな具材が入っているのに味のバランスが取れている。甘みのあるのが良かった」と太巻きが気に入った様子だった。 (道下健弘、写真も)

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