【この店おすすめ】 メダンの家庭料理を
南ジャカルタ・クマンの目抜き通りを南の方に抜けると、こじんまりとした店構えのレストランが見えた。紹介者はメイクアップ・アーティストのアディさん(39)。
厨房を店の前に出し、建物は近代的な雰囲気を醸し出している。内部はおしゃれなカフェといった趣きだが、北スマトラ州メダンの料理を売りにした家庭的なレストランだ。
「ジャカルタでもおいしい外国料理のレストランは増えているけど、逆にインドネシアの家庭的な料理がおいしいところはまだまだ少ないので、このお店は貴重」と、バーやディスコに繰り出すことも多いアディさんは話す。
タフ(豆腐)やテンペ、イカン・テリ(じゃこ)、ゆで卵などを載せたナシ・チャンプル・サユール・メダン(2万8600ルピア)がアディさんのお気に入りだが、きょうはミー・ルブス・メダン(2万4200ルピア)に挑戦した。
タフ、いも、もやし、ゆで卵、ねぎやクルプック(揚げせんべい)などを混ぜた汁にやや柔らかめの太麺。濃いめの茶色いスープは、干しエビやタピオカで味や食感を作り上げたもので、しょっぱい中に甘さも混ぜ込まれているような味わいだ。
一皿の分量はあまり多くないので、あっという間にたいらげ、サテ・ダギン・ブンブ・カチャン(2万4200ルピア)も頼んでみる。歯ごたえのある牛肉に、甘さを抑えたピーナッツ・ソースに辛さが利いている。
おつまみにはオランダ風コロッケ、ビターバレン・メダン・クラブ(1万6500ルピア・5個入り)を。日本のコロッケよりねっとりした感じは、人によって好みが分かれるかも。
メダン料理というと、あまりパッとイメージが湧かないが、土地柄もあって、中華系とパダンを融合させたような感じかなと一人納得した筆者。多彩な香辛料を使っているところはインド系も混じっているかもしれません。
一品一品の値段が安いのはうれしいところ。フレッシュジュースも種類が豊富なので、ゆっくりとお茶をするのもいいかもしれませんね。