【この店おすすめ】 クニンガンのアラブの春
2011年「アラブの春」で揺れたエジプト・カイロのタハリール広場から名前を取ったアラブ料理レストラン。同じ年にエジプト出身者がオープンしたという店だ。
紹介者は日系企業で働くイロ・サリさん。日本語を専攻していた大学時代から、アラブ系の友人宅でレバラン(断食明けの大祭)などの機会にアラブ料理に親しんでいたという。「アラブ料理を食べられる店に連れて行ってほしい」とのリクエストに、数軒並ぶ中央ジャカルタ・チキニとともに挙げてくれたのがこの店。中央ジャカルタ・タナアバンなどで働くアラブ系ビジネスマンが居住するマンションもある同地区ならではの立地だ。
レストランのテラスには水たばこの水煙菅がずらり。トルコ料理などにも使う羊肉を焼く調理器具もあり、厨房前にテーブルが広がる。今回は昼間だったので冷房の効いた屋内へ。奥にはじゅうたんの上にクッションが置かれ、カーテンに囲まれた座敷席があり、ここでくつろぐことにした。
「友人宅でよく食べる」というサンブサック・ラム(3万ルピア)から。羊肉を包んだアラブ風ギョウザで、パセリのような葉がアクセント。オリーブオイルをかけたグリーン・サラダ(2万5千ルピア)はややこってりした味付け。
薄いパン生地に羊のひき肉を挟んだアレイス(4万ルピア)は、インドネシアのマルタバック・トゥロールにも似ている。薄く切ってあるので、サンドイッチのような感覚で食べられる。
今回試した中でフール(2万5千ルピア)は最も特徴のある料理。オリーブオイルの中にゆでた豆が浮かんでいるといった感じで、かなり濃厚な味。豆料理好きでも、慣れていないと胃がもたれそう。
料理のほか、久しぶりに会ったイロさんと話題になったのは最近の汚職事件。結党当初からの熱心な福祉正義党(PKS)支持者として「やはり悲しいです」という。「でも末端の支持者は自分たちのお金で社会活動に取り組んでいる。幹部と同一視されるのは残念」。政治絡みの問題だけに「なぜ民主党の汚職追及は時間がかかっているのかしら」と首を傾げた。(配島克彦、写真も)