【この店おすすめ】 一家団らんの時間
外国人でにぎわうカフェやバーが集まる南ジャカルタ・クマンにあるインドネシア料理レストラン「パヨン」。敷地内の庭園はライトアップされ、静かな雰囲気を醸し出す。中央の建物を囲むように伝統建築風の家屋が並ぶ。
庭園を挟んで手工芸品、ギャラリーなどの店もある。軒先には鳥かごが吊るされ、木彫りの装飾や瓦むき出しの高い天井などから、ジャワの田舎へ来たような感覚になる。
紹介者はファッション雑誌でアシスタントを務めるアスリ・アストゥティ・ウィナタさん(23)。家族と定期的に訪れるという。
アスリさんのお勧めで「ロヤン・サテ」(7万2750ルピア)と「ナシ・チョベック・パヨン」(5万2千ルピア)を注文した。
ロヤン・サテは牛肉のサテに好みに合わせて甘いソースと辛味のあるソースをかけ、味わうことができる。ご飯との相性も抜群だ。
ナシ・チョベック・パヨンはパパイヤの葉の上に唐揚げと豆腐、テンペが並ぶ。唐揚げにレモンソースを掛け、石製のおわんの中にあるご飯と一緒に食べると、満腹感を感じる。ご飯にチリソースを掛けて食べるのもお勧めだという。
日本の伝統美術に引かれ、インドネシア大学(UI)日本語学科に進学。卒業後は日本の会社で働くことも考えたが、ファッションデザインを勉強したいとファッション雑誌に就職した。
服の生地からデザインまで専門書を読みあさり、知識を深めることに余念が無い。服の色彩が着る人の印象を強くするとして、色が持つ特性も意識しながら日々デザインを研究している。
現在は仕事をはじめ、なかなか家族全員で過ごす時間はないが、家族とゆったりとした時間を過ごしにこのお店を訪れたいという。アスリさんは「この店に来ると落ち着く。友人や家族を誘ってご飯を食べるひと時が、嫌なことも全部忘れさせてくれる」と笑顔で話した。(小塩航大)