【この店おすすめ】 渋谷で食べる故郷の味
渋谷から代官山に向かう途中の桜丘町にあるインドネシア料理店「アユンテラス」を訪れた。日本でインドネシア料理を楽しめるお店はあるけれど、いざ食べてみると、「なにか違う」印象を受ける。そんなインドネシア料理店の中でも本場の味を楽しめるのが、1997年にオープンしたこのお店だ。
訪れたのは金曜日の夕方。店内に入るとすでにお客さんでいっぱいで、バティックを着た店員さんが、「メジャ・サトゥへどうぞ」とインドネシア語を交え、テーブルへ案内してくれる。
紹介してくれたのは、インドネシアで日本人と結婚したユキ・マラサリさん(25)。今年2月に夫の帰国に伴い、来日した新婚さんだ。日本に来てから、ほかにもいくつかインドネシア料理店を訪れたというが、「アユンテラス」はインドネシアの味に近く、おすすめだという。
店内はバリのウブド近くにあるアユン渓谷をイメージし、チーク材を使ったインテリアやガムランが流れ、南国の雰囲気の中で食事が楽しめる。
注文したのはサテ・アヤム(950円)やアヤム・ゴレン(1600円)、ルンダン(1500円)などインドネシアの定番料理。食材はインドネシアから直輸入したものも多い。野菜が欲しくなりガドガドを注文。インドネシア同様にピーナッツソースがかけられている。どの料理も辛さが抑えられており、日本人が食べるには良さそうだが、インドネシアの味付けになれていると、どこか物足りなさも感じるかもしれない。
インドネシア料理のすべてを決めるといっても過言ではないサンバルもある。赤いチリソースから青唐辛子を使った辛めのサンバルもあり、ユキさんも「インドネシアの味を十分楽しめる」と満足げ。他にはコース料理や飲み放題もあり、団体で訪れても良さそうだ。
食事以外に、日本の生活の印象をユキさんに聞くと、ごみの分別の細かさに驚いたという。それでも「しっかりと環境のことを考えているのはとても素晴らしい」と話す。しかし、日本の寒さにまだ慣れていないために「寒い朝に起きてごみを捨てるのは大変かな」となかなか苦労しているようだ。頑張れ、ユキさん。(高橋佳久、写真も)