「本物の炉端焼きを」 スナヤンに「匠」オープン 食の国際化目指す

 仙台で生まれ、北海道釧路で発展したといわれる炉端焼きのレストラン「匠(たくみ)」がこのほど、中央ジャカルタのスナヤン・ナショナル・ゴルフ・クラブ内にオープンした。日本ですたれつつある炉端焼きを再現したレストランは、シンガポール、上海に続き3店舗目。ジャカルタ進出を主導したPJパートナーズ社(シンガポール)の高橋世輝CEO(最高経営責任者)は「日本の食を海外に発信する」と意気込んでいる。

 中央部に囲炉裏(いろり)が置かれている店内。こうこうと赤く燃える炭の周りに、これまでシンガポール、上海などで経験を積んできた総料理長の岸野将人さんと炉端焼き職人の横田和久さんが高級魚キンキなど築地から空輸した魚介類を並べていく。純米大吟醸など日本酒も豊富。都心の中心部にありながら、緑に囲まれ、落ち着いた雰囲気も売りの一つだ。
 PJ社は、外資系金融会社勤務などを経て、高橋さんが2001年に設立した。東京で、ポルトガルやブラジル、オーストラリア・ニュージーランドなどの料理店を展開する事業から始め、現在は10店舗。食の国際化を掲げ、世界の食を日本に紹介するだけでなく、日本の食を海外に発信したいと海外に打って出た。
 「元々は日本にない料理を日本に持って来ていたが、昭和40年代には日本全国で1万店あったといわれるが、どんどん減ってきていることを知り、本物の炉端焼きを復活させたいと思った」と高橋さんは話す。
 炉端焼きレストランは08年にシンガポール進出。それに合わせ、本社を東京から移した。高橋さんは「アジア展開を見据えたハブとしての位置付け。その中でも中国とインドネシアは最初から進出したいと思っていた」と話す。
 インドネシアでは、スナヤン・ゴルフ・クラブを運営する地場系投資会社アンコラ・グループと組み、合弁会社を設立。高橋さんは「現地の食材もどんどん活用していきたい」と話し、今後も事業拡大を図っていく方針だ。
 「匠」は全114席。ランチは9万8千ルピア(税別)から。夕食は、お酒の注文の量にもよるが、一人当たり50万ルピア前後の客が多いという。炉端焼きというスタイルをお客に見てもらおうと、個室は設けていないが、ゴルフ場のクラブハウスの個室で料理を注文することができる。(上野太郎、写真も)

◇Takumi(Robata & Sushi)
住所:Senayan National Golf Club, Jl. Asia Afrika Pintu IX, Senayan -Jakarta
営業時間:昼―午前11時半〜午後2時半、夜―午後5時半〜同10時
電話:021-571-0181
ウェブサイト:takumiindonesia.com

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