「パンク状態」解消進まず 空の便利用者拡大続く 空港新設・拡張遅れも

 世界でも有数の島しょ国インドネシアで、空の便の利用者の拡大が続いている。旅客数は毎年二桁の増加を続け、従来の空港は、大都市を中心にどこも「パンク状態」。政府は旅客の受け入れ体制強化を急ぐが、計画通りに進むかを疑問視する声も上がっている。
 国民所得の増加や格安航空の相次ぐ参入を背景に旅客数は2000年代初めから増加傾向にある。近年では、堅調な経済成長を受け、海外からのビジネス、観光客も増えている。運輸省によると、旅客数は06年から12年まで国際線で年平均26.44%、国内線で同11.35%伸びた。
 新設・拡張を急ぐ背景には空港の旅客受け入れ能力不足がある。運輸省によるとスカルノ・ハッタ空港の11年の利用者は5110万人で年間収容能力の2200万人を大きく上回った。増加率は前年比19%で伸び率が世界一となり、旅客数自体も東南アジアで最大となったが、周辺諸国の空港と比べ、施設の老朽化などが目立つとの声も上がる。
 また、バリのングラライ空港は、10月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に向けた受け入れ体制の強化として拡張工事を急ピッチで進めている。スマトラ島の空の便の拠点となっているメダンのポロニア空港は12年時点で年間収容能力の8倍に達しており、今年の中ごろには、すでに完成した新空港(クアラナム国際空港)にその役目を引き継ぐ予定だ。
 運輸省航空総局に派遣されている国際協力機構(JICA)の安田弘氏によると、収容能力が100%を超えると機体、人、荷物の流れが滞り頻繁に遅延が起こるという。
■予算も不十分
 ブディオノ副大統領は6日、空港拡張・新設計画について、地元メディアに「目標通り達成しなければならない」とはっぱをかけたが、安田氏は「土地収用が進まず、資金の問題もある」との見解を示す。昨年8月に始まったスカルノハッタ空港の第1期拡張工事に含まれる、第3滑走路の建設も土地収用がネックになっている。
 中期的にも、同空港の拡張や周辺の他空港の活用では、現在の利用者需要の拡大に追いつかないとして、政府は11空港新設の次の段階として、西ジャワ州カラワンを候補地に、JICAなどの協力も得て、新空港建設を進めていく方針だ。
■小規模空港開発も
 主要空港以外の小規模空港についても、政府は15年までに、少なくとも11空港の新設と14空港の拡張を終えるとしている。しかし、新空港の建設では、今年の国家予算における割り当て額が、計画で必要とされている建設費用に1450億ルピア(約14億円)足りない状態。運輸省はどのように建設資金を確保するかで頭を悩ませている。(堀之内健史)

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