14年ぶり1000人超 ジャカルタ日本人学校の在校生数 上海、バンコク、シンガポール、香港に続く アジア地域で増加顕著

 ジャカルタ日本人学校(JJS)の在校生数(小学・中学部)が、29日に行われた2学期始業式で1014人となり、約14年ぶりに千人を超えた。ジャカルタは中国・上海や香港、タイ・バンコク、シンガポールなどと並んで千人以上の在校生を抱える都市となった。堅調な経済成長を背景に日系企業の相次ぐ進出で駐在員が増加し、今後、在校生数もさらに増えそうだ。 (上松亮介、小塩航大)

 1969年に開校したJJSの在校生数は、92年に初めて千人台を超え、1034人が在籍した。だが、98年の5月暴動で急減し、99年には646人となった。2000年から800人台に持ち直したが、鳥インフルエンザが流行した06年から再び減り、09年の世界金融危機を経て、10年には686人となった。
 だが、堅調な経済成長を支えに企業の追加投資や新規進出企業の急増で駐在員も増加。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の会員企業は今年7月26日時点で、昨年4月から46社増え487社となった。
 JJSの在校生数は12年4月入学式時点で前年比145人増の946人へ2割近く増加。そして今回、1014人となった。
 JJSの古野祐一小学部教頭は「近年のインドネシアの経済成長が児童・生徒数にも反映されている」と指摘した。同教頭は在校生数はさらに増えるとみており、来年度は、小・中学部それぞれでクラス数を増やす可能性もあるとの見方を示した。JJSの現校舎の児童・生徒収容人数は約1200人。

■都市別で5番目
 近年、日本企業進出が加速するのに合わせ、アジア地域における日本人学校の在校生数が増加している。
 文部科学省の統計(2011年4月15日時点)では、世界全体の日本人学校数は50カ国・地域に88校。在校生数は1万8916人で、うち1万4694人がアジア地域の日本学校に通う。
 都市別で規模が大きいのは、今年4月時点で上海が3063人(小学部1校、小中学部1校)、香港が1166人(小学部2校、中学部1校)、バンコクが2707人(小中学部1校)、シンガポールが1850人(小学部2校、中学部1校)など。千人を切る規模では、台湾・台北が749人、マレーシア・クアラルンプールが692人、ベトナム・ホーチミンが325人。英語圏では、地元の学校に通う子どもが多く、米国のニューヨーク日本人学校は184人、シカゴ日本人学校は138人となっている。
 また、外務省の海外在留邦人調査統計(11年4月15日時点)によると、アジア地域の日本人学校在校生数(小学部と中学部の合計)は前年比で930人の増加。世界全体の日本人学校の在校生数は増加傾向にあるが、増加しているほかの地域でも中南米は24人、アフリカは4人の増加に過ぎず、アジア地域での増加が鮮明になっている。
 アジア地域の増加の背景として、文部科学省国際教育課在外教育施設の担当者はじゃかるた新聞の取材に対し、「児童・生徒数が増加傾向にある国は日系企業がたくさん進出している場所と重なり、今後も増加が見込まれる。われわれも教師派遣など運営面などでできる限りサポートしていきたい」と語った。

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