手工芸品、色とりどり イナクラフトあすまで
国内最大級の手工芸品展「イナクラフト」が29日まで、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で開かれている。20回目の開催となることしは国内各地に加え、日本、ポーランドなど海外から計1395の出展者が参加し、会場は色とりどりの雑貨や衣類で華やいでいる。
イナクラフトだから出会える珍しい品がある。中部ジャワ州ソロ市に店舗を持つ「グリヤルンパ」のブースでは香辛料を使用したソロの伝統的なスクラブが注目を集めていた。スクラブは粉状で水と混ぜ合わせ、肌をこすりながら洗うという。店員のインダさん(48)は「全て自然由来の原料を使っており、固形せっけんより肌に優しく体も温められる」と話す。種類はミントやコーヒーの香りなど全部で10種類で、価格も8500ルピアと手頃だ。
多くの日本人来場者が足を止めていたのは、東ヌサトゥンガラ州フローレス島産のオウギヤシを使ったかごを販売する「ドゥアンヤム・ウィービング」。商品は5千ルピアから販売されており、「手頃な値段でかわいい小物が買える」と喜ぶ声が聞かれた。
出展11回目の民芸品店「ウマル・ロンボク・アート」では、木編みのフードカバー(20万ルピア)が人気という。
オーナーのハルディアントさん(44)は「普段人目につかないものでも、質のいいものは年々売れるようになってきている」と話す。
日イ友好作品展示ブースでは、2回目の参加となった西陣織のグループ「西陣織アンソロジー」がワヤン(影絵芝居の人形)をモチーフにした柄を入れるなど、インドネシア文化を取り入れた織物を展示した。代表を務める田中慎一さん(62)は「自分たちより若い世代の職人が希望を持てるよう、新しいチャレンジをしていきたい」と意気込む。ことし下半期にもインドネシアでイベントを企画しているという。
京都の本藍染め職人、中西秀典さん(51)は大波などをあしらった藍染作品を出展。来場者の注目を集めた。
何度もイナクラフトに買い物に来ているというウラムさん(40)は「販売されている商品からはインスピレーションを受ける。ことしもたくさん買ってしまいそう」と楽しそうに話した。(大野航太郎、泉洸希)