6万人超、1兆ルピア被害 豪遊の社長夫妻初公判 小巡礼ツアー詐欺事件

 旅行代理店が小巡礼(ウムロ)ツアー参加者から旅行代金をだまし取った事件で、横領罪や詐欺罪などで起訴された代理店社長夫妻ら3人の初公判が19日、西ジャワ州デポック地裁であった。格安ツアーの宣伝や有名人の広告起用で、被害者は6万人超に上った。被害総額は1兆ルピアに迫る一方、被告の豪遊ぶりが明らかになっており、初公判に駆け付けた被害者たちは怒りをあらわにした。

 公判に臨んだのは、旅行代理店「ファースト・トラベル」社長のアンディカ・スラフマン被告と妻でディレクターのアニッサ・ハシブアン被告、財務責任者のキキ・ハシブアン被告の3人。起訴状などによると、2016年11月〜17年5月に出発予定のウムロツアーを計6万3310人に販売し、参加代金を受け取りながら、ツアーを催行しなかった。被害総額は9053億3300万ルピアに上るという。
 地元メディアによると、同代理店は15年1月からウムロツアーの販売を開始。通常、ウムロには最低2千万ルピアほどかかるが、同店のツアーは1430万ルピアからと格安だった。一方、五つ星ホテルに泊まるVIPツアーも5400万ルピアで販売していた。
 同代理店は女性歌手シャフリニさんをVIPツアーに参加させるなど、有名人を広告に起用して宣伝していた。検察は「被告らは1173人のエージェントと提携し、全国に販売ネットワークを持っていた」と指摘。被害者の拡大につながった。
 逮捕後は社長夫妻が被害者からだまし取った金で海外旅行したり高級車や不動産を買ったりと豪遊ぶりが報じられた。
 起訴状では、アンディカ被告が10億ルピア、アニッサ被告が5億ルピアの月給を得ていたことが指摘された。ヨーロッパ旅行に86億ルピアを費やしていたほか、国内各地やイギリスなどで不動産を購入、レストランや企業の買収にも充てていた。
 地元メディアによると、この日は被害者たちが法廷に駆け付け、「泥棒」「うそつき」などと傍聴席から罵声を浴びせる場面もあった。ツアーの催行や返金を求める声も上がった。
 事件は多数のツアー参加希望者が警察に被害届を出したことで発覚。国家警察は17年8月、3被告を横領や詐欺の疑いで逮捕した。(木村綾)

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