配車タクシー規制延期 新規定を再協議へ 運輸省前で運転手デモ

 オンライン配車サービスの四輪タクシー運転手約千人は29日、中央ジャカルタの運輸省前で新規定に抗議するデモを実施した。デモ隊代表と協議したブディ・カルヤ・スマディ運輸相は、大臣令の細則の適用を予定していた2月1日から1カ月延期することに合意し、規定違反者のアプリ遮断方法や車検、タクシー運転手用の免許証取得方法を再協議して改善すると約束した。 
  
 運転手は首都圏や西ジャワ州バンドン、スカブミ、ランプン州、東ジャワ州スラバヤなど各地から集結。新規定が盛り込まれた運輸大臣令(2017年108号)の撤廃を求めた。
 運転手が問題視している新規定は、高価なタクシー運転手用免許証の取得義務▽車体に管理番号を印字する車検方法▽規則違反運転手に対する一方的なアプリ遮断方法▽地域ごとの運行台数上限設定▽車両登録証(STNK)の記載住所に基づく運行地域制限▽オンラインタクシーであることを示すステッカーの貼付——など。
 ブディ運輸相はデモ隊代表と協議後、大臣令は改定しないが、ゴジェック、グラブ、ウーバーのアプリ事業社3社と3項目については改善に向け協議するとの方針を表明。車検方法は一部変更し、違反者のアプリ遮断方法は通信情報省と、免許証取得での運転手の負担軽減は警察と話し合うと約束した。デモ隊代表者の1人、エギー・ザキア・アジスさん(43)は「延期期間の1カ月間で交渉していく」と説明した。
 ジョクジャカルタ特別州からデモに参加したダマル・アディ・サプトラさん(35)は、運行地域と台数制限に関して「ボロブドゥール寺院などの観光地はジョクジャから近いが、中部ジャワ州内にある」と述べ、車両登録先の住所に基づく運行地域規制は不利になると主張した。
 南ジャカルタ区の運転手団体のピトゥン代表(42)はステッカー貼付について、「バンドンなどオンラインタクシーが既存のタクシー会社の運転手らによって襲撃されている地域では、格好の標的になってしまう」と警鐘を鳴らした。
 また車検では、ボンネット内の部品に番号などを刻印するため、車検後は中古車両になってしまうとの不満が上がっているため、運輸省は車検済みの印を車体に付けない管理方法を探す。
 新規定を盛り込んだ大臣令は17年7月1日に施行された。これに抗議した運転手と弁護団が起こした行政訴訟で、最高裁判所は運輸省に部分的改定を命じたが、運転手側はこれも不服として再提訴している。(中島昭浩、写真も)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly