世界初「コモド債」発行 ロンドン証券取引所で 国営ジャサ・マルガ 4兆ルピア調達へ

 国営高速道路管理ジャサマルガは13日、ロンドン証券取引所で国営企業として世界初のルピア建てのオフショアグローバル債券「コモド・ボンド」を発行したと発表した。3年債で年利は7・5%、4兆ルピアを調達する。政府は世界中の投資家の支持を得ているとして、他の国営企業が追随することを期待している。
 従来、政府や企業はドル建ての債権を発行してきた。ルピア建ての債券では、欧州復興開発銀行が2015年に金利5・25%で発行した例などはあるが、「国営企業が国際証券市場でルピア建ての社債を発行するのは画期的」(日系投資コンサルタント)であり、市場の期待は高い。
 新興国が自国通貨建て債券を発行する上で重要になるのが、ルピア―ドルの為替レートと政策金利の推移、国債の格付けだ。為替と政策金利については比較的安定しており、格付けは「投資適格」が世界三大格付け機関でそろうなど、条件は整いつつある。
 今回の発行ではジャサ・マルガが調達予定の4兆ルピアの約4倍に当たる、15兆7千億ルピア分の需要があるもよう。比較的高い利回りに加え、ルピアの安定感への期待もうかがえる。
 国営企業省は14〜19年の間にインフラ投資に必要な資金を年間1100兆ルピアと見積もっている。国営企業の社債発行による資金調達はおおむね好調に推移していることを踏まえて、新たな市場として年間200兆ルピア分を海外から調達する必要性を主張している。
 コモド・ボンドはインフラ・プロジェクトの資金調達を進める上で、今後新たな柱となることが期待される。
 経済紙コンタンによるとジャサ・マルガに続く形で国営電力PLNや国営建設ウィジャヤ・カルヤ(ウィカ)もコモド・ボンドを発行する準備を進めているという。(平野慧)

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