洪水対策が本格化 浚渫で被害軽減へ アニス知事

 アニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事が洪水対策を本格化させている。昨年大きな被害を出した南ジャカルタ区クマンのクルクット川や中央ジャカルタ区スナヤンのモール、スナヤンシティの裏手まで注ぐグロゴル川の浚渫(しゅんせつ)工事を進め、雨期の被害軽減を目指す。

 アニス知事は14日、南ジャカルタ区テンデアン付近のクルクット川にある工事現場を視察し、「すでに工事すべき場所は分かっている。住民を妨げる洪水がなくなることを願う」と語った。
 浚渫工事を行う水資源局によると、クルクット川、グロゴル川にある水路の合流地点に重点を置き、川の朽ち木やごみ、岩などの障害物を取り除く。川底を低くし、川の流れが滞らないようにして豪雨での水量増加に対応し、洪水被害を軽減する。
 大型のショベルカー2機が川底のごみをさらい、川底を2メートルまで掘り下げる。今月初旬に着手し、12月初旬に完了させる予定。クルクット川西岸のレンガス村に住むムハンマド・イトゥスさん(80)は「2002年の大洪水後、拡幅されて洪水被害はなくなった。上流の対策が必要だ」と話した。
 工事に先立ち13年にテンデアンに開業したホテル・ネオ・テンデアン駐車場の壁が、重機搬入のため取り壊された。現場の水資源局職員によると、工事終了後に州が建て直すという。
 両河川は西ジャワ州ボゴールの山地からジャカルタに流れ込む。グロゴル川には、上流の南ジャカルタ区南端のジャガカルサ付近で、地滑り防止のため川沿いの土壌を補強。下流のクバヨラン・バル郡ハン・ルキル村からランサット公園の間でも浚渫工事が続いている。
 南ジャカルタ区パサールミングのプジャテン・ラヤ通り近くのプロ・プジャテン川でも細かい水路の合流地点で浚渫を進めている。同河川は同区サトリア・マンダラ軍事博物館裏手でクルクット川と合流する。
 アニス知事は15日、州清掃局の清掃員の待遇改善を約束。月収330万ルピアを来年の最低賃金387万ルピアまで引き上げると明らかにした。
 また、ダム建設の土地収用に1兆4千億ルピア、川の浚渫に2270億ルピア、浄水設備に2820億ルピアの計1兆9800億ルピアを確保できるめどが立ったと説明した。(中島昭浩、写真も)

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