インフラに20億ドル投資 大統領 韓国大統領と会談

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は9日、韓国の文在寅大統領と西ジャワ州ボゴールのイスタナ(大統領宮殿)で会談した。文氏の来イは5月の就任後初めて。北朝鮮問題で協力していく方針を示したほか、次世代型交通システム(LRT)や住宅、水道など、インフラを中心に総額20億ドルの投資で合意し、韓国新政権との関係を深めていくことを印象付けた。

 文氏は東南アジア歴訪の最初の訪問先としてインドネシアを訪問した。ジョコウィ氏は5月下旬、文氏の特使として派遣されたソウル市の朴元淳市長とボゴールで会談し、両国の関係強化を望む内容の親書を受け取っていた。
 その直後には、北朝鮮の金日成元主席と親しい関係にあったスカルノ初代大統領の娘、メガワティ元大統領が訪韓して文氏と会談。文氏は南北朝鮮の統一協議で協力を要請していた。
 この日、イスタナで約1時間にわたり会談した後、合同会見に臨んだジョコウィ氏は「インドネシアは北朝鮮に対し、国連安保理の決議を履行し弾道ミサイルの発射実験をやめるよう強調する」と述べた。また、「(北朝鮮に対し)対話による平和的解決の道を開いている文大統領の立場を尊重したい」と述べ、文氏も朝鮮半島問題でのインドネシアの協力に感謝を示した。
 文氏は「私とジョコウィ大統領は、国民優先という点で共通している」と述べ、両国関係の深化に期待を示した。特に防衛や経済協力を強化していきたいとし、「2022年までに両国の貿易額を現在の2倍の300億ドルまで増やしたい」と掲げた。来年ジョコウィ氏を韓国に招待し、ジョコウィ氏も応じたとした。
 会談に先立ち行われたビジネスフォーラムではインフラやエネルギーなど12案件、総額20億ドルの投資を発表した。
 ジャカルタのLRTは、韓国鉄道施設公団が第2工区(フェロドローム〜ドゥクアタスの約9キロ)に5億ドルを出資することが決まり、州営建設ジャックプロとの間で覚書を結んだ。また来年のアジア大会までに開通を目指す第1工区については、維持管理に関する無償技術協力を行うことで合意した。
 このほかの協力では、低所得者向けの住宅建設に韓国の大手ハンファグループが参画する。水道整備やクリーンコール(高効率石炭発電)の技術移転、「国際的ハラル・ハブ」の開発など幅広い分野で協力を結んだ。
 共に「庶民派」とされる両首脳はこの日、ボゴール宮殿近くのBTMモールを訪れ、1枚10万ルピアのバティック(ろうけつ染め)シャツを色違いで購入。ティースタンドでお茶を買って会話するなど終始和やかな様子で、友好ムードを演出した。(木村綾、アリョ・テジョ)

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