アイシャ被告 無罪主張 北朝鮮人不在を争点に 金正男氏暗殺初公判  (2017年10月03日)

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 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2月、マレーシア・クアラルンプール国際空港で暗殺された事件で、殺人罪で起訴されたインドネシア人のシティ・アイシャ被告(25)とベトナム人のドアン・ティ・フォン被告(29)の初公判が2日、クアラルンプール郊外のシャーアラム高等裁判所で開かれた。アイシャ被告は無罪を主張し、弁護団は事件当日に同国から出国した北朝鮮人4人が不在の裁判を問題視した。

 現地からの報道によると、検察側は起訴状で、2被告は2月13日、クアラルンプール国際空港で、猛毒神経剤「VXガス」を金正男氏の顔面に塗り付けて殺害したと指摘した。
 これに対し、2被告は罪状認否で、それぞれ通訳を通じて起訴事実を否認した。弁護側は、起訴状に事件当日にマレーシアを後にしたとみられる北朝鮮人4人の名前が記載されておらず、不明瞭だと指摘した。
 またこの日、検察側証人として、空港の診療所まで金氏に同行した警察官と空港職員の2人も出廷し、事件当時の状況について証言した。
 3月以降、クアラルンプール郊外のセパン地方裁判所で行われた裁判手続きで、検察側が最高刑が死刑となる殺人罪で起訴したことを受け、裁判は地裁の上位となるセランゴール州のシャーアラム高裁に移管された。高裁での裁判は11月30日まで継続して開かれ、12日の次回公判は10人の証人を出廷させる予定。
 インドネシア政府が指名したアイシャ被告弁護団のグイ・スン・セン代表は日刊紙コンパスに対し、「事件直後、マレーシアから出国した4人の北朝鮮人を出廷させられるかどうかにかかっている」と話す。裁判は検察側の意向に沿って2人の犯行を立証することに集中しており、弁護団は北朝鮮人不在の裁判の有効性を争点としていく構えだ。
 インドネシア外務省のアルマナタ・ナシル報道官は「裁判で黒幕たちを含む事件の全容が究明されることを望む」と強調。北朝鮮人4人の処遇をめぐり、マレーシアと北朝鮮の両国政府間で交わされたとみられる取引内容を注視していることをうかがわせた。(配島克彦)

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