ホテルは通常営業 噴火警戒1週間 アグン山
バリ州カランアセム県にある霊峰アグン山(3031メートル)の噴火警戒レベルが最高の「アワス(避難準備)」に引き上げられてから、29日で1週間が経過した。国家防災庁(BNPB)によると、同日に避難者数は14万3千人を超えたが、避難区域以外ではホテルは通常通り営業している。
バリ・ホテル協会(BHA)のスタッフは「カランアセム県の避難区域以外は安全。ホテルも通常通り営業しており、これまで通りバリを楽しむことができる」と説明。
正確な情報を得ることが難しく、バリに詳しくない外国人観光客からの問い合わせが多いほか、アグン山はまだ噴火していないにもかかわらず、過熱している報道が旅行客の不安を過度にあおっていると批判した。
噴火した場合の対策としては、一時的な避難場所を用意し食事などを提供するほか、ングラライ空港からバスを運行し東ジャワ州スラバヤやバニュワンギまで陸路で移動できるようにするという。
インドネシア観光省ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所(東京)では、バリ旅行への出発時期が近づいている日本人旅行客からの問い合わせが増えているが、旅行はキャンセルせず、アグン山に近づかないよう旅程を変える人が多いという。
質問の内容としては、宿泊場所へ灰が飛んでくるのか▽空港の状況▽どのエリアまで安全に行くことができるか――など。同事務所でも避難区域以外は基本的に安全と説明しているが、道が狭い場所もあり噴火した場合は交通渋滞の可能性を伝えている。
火山地質災害対策局(PVMBG)によると、火山性地震は、28日が浅い場所で214回、深い場所で444回、観測された。(毛利春香)