医療・化粧品・産業機材に期待 富士フイルム 川久保社長が就任

 富士フイルム・インドネシアの新社長に就任した川久保典之氏は27日、南ジャカルタのラッフルズホテルで会見を開き、医療・化粧品・産業機材を今後成長できる3分野に挙げた。

 富士フイルム・インドネシアの事業領域は設立当初のカメラ事業から旺盛な需要に応える形で拡大しており、2015、16年ともに前年比2倍以上の売上高を記録している。
 会見では「デジタルカメラやレンズ」や印刷機などの「グラフィックシステム」、写真印刷サービスなどの「フォトイメージング」の3分野を安定的な事業として挙げ、圧力測定フィルムなどの「産業機材」、ヘルスケア機器などの「メディカルシステム」、化粧品ブランド「アスタリスト」を中心とした「ライフサイエンス」の3分野を今後大きな成長が期待できる領域だと説明した。
 デジタルカメラ分野は売り上げの半分程度を占めている。メディカル分野については国内医療分野の市場が拡大するとの見方から、「輸入ライセンスを取得すれば、従来のレントゲンフイルム以外のデジタル製品も扱えるようになり、裾野が広がる。その上で直販に乗り出すのではなく、販路拡大のために医療分野に強い販売パートナーを増やしていくことが重要だ」と話した。
 富士フイルムは現在、経済産業省のプロジェクトに参画し、北スマトラ州メダン市の病院で医療IT導入事業に取り組んでいる。
 化粧品分野の現状は自社ブランドを「新参者」と位置付ける。電子商取引(EC)の利用については「富士フイルムの技術が生きた商品だと伝えるためには、対面販売が有効。知名度が上がればさまざまな形態が考えられるが、まずはブランドの地位を固める」と答えた。
 カメラ事業については「ショールームを構えるなど、富士フイルムのブランドイメージを打ち出す活動を続ける。地方での販売も進めていく」と語った。
 インドネシアの印象は「人口が多いのはやはり魅力。成果が期待できる。愚直に取り組んでいきたい」
 川久保社長は三菱自動車に勤務後、富士フイルムに入社。中東、ヨーロッパ担当を皮切りに、メディカル分野のレントゲン関係の機器の海外事業全般を担当し、現職に就任。(平野慧、写真も)

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