観光へ影響じわり アグン山 噴火警戒でキャンセルも

 バリ島カランアセム県のアグン山(3031メートル)の噴火警戒レベル引き上げで、島内観光への影響が出始めている。各国の渡航延期勧告もあり、ツアーのキャンセルも出ている。ただ27日現在、避難区域外の観光地はおおむね通常通り営業し、外国人観光客も訪れている。
 カランアセム県内でツアーを営むチャンディダサ・ツアー・サービスの担当者は「アグン山はまだ噴火しておらず、ブサキ寺院以外の場所へは通常通りツアーを催行している」と話す。27日にも、香港からの観光客を同県南岸のチャンディダサ海岸などへ案内したという。 
 同海岸沿いにあるリゾートホテルの担当者も「チャンディダサは避難区域外にあり安全」と強調するが、外国の旅行会社からのキャンセルもあったという。27日現在、チャンディダサへのツアーを控えている日本の旅行代理店もある。 
 大手旅行代理店のHISでは「(避難区域内にある)ブサキ寺院やルンプヤン寺院への訪問が含まれるオプショナルツアーは催行できない」としているが、バリ島への渡航キャンセルは「ごく少数」という。JTBも「キャンセルが相次いでいるという状況ではない」としている。 
 27日現在、噴火警戒レベルは最高の「アワス(避難準備)」を継続。国家防災庁(BNPB)によると、午前0時〜午後6時に発生した火山性地震は、浅い場所で329回、深い場所で444回の計773回だった。地震回数は前日比で減ったものの、マグマが火口付近に向かって上昇していると指摘。噴火する可能性は高まっているが、時期は予測できないとしている。 
 避難者数は27日夕までに9万6086人に上り、9県市の430カ所に避難所が設けられた。カランアセム県では100カ所3万9859人に達した。 
 現在、入山規制や避難勧告が出ているのは火口から半径9キロ以内と、北、北東、南東、南〜南西側各12キロ以内。日本外務省は、アグン山とその周辺への渡航を中止・延期するよう注意を呼びかけている。(木村綾)

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