マレーシアのサイト攻撃 ハッカー集団 国旗誤掲載に報復か
マレーシアの33ウェブサイトが20日から21日にかけ、相次いでハッキングされた。サイバー攻撃を仕掛けたのは、インドネシア人を名乗るハッカーの集団で、いずれのサイトにもインドネシア語で「我々の国旗はおもちゃではない!」と怒りのメッセージを残した。マレーシア・クアラルンプールで19日に始まった東南アジア大会(SEAゲーム)のガイドブックに、インドネシア国旗が上下逆さまに掲載されたことへの報復攻撃とみられる。AFP通信などが21日報じた。
攻撃対象となった33のサイトには、怒りのメッセージと同大会開幕式で配布されたガイドブック、ハッカーらの呼称とみられる「キッズゾンク」、「エクストリーム・クルー」などが掲載され、BGMにはインドネシアへの愛国心を歌う「インドネシア・プサカ」が流れる。
33サイトのうち、一部は既に修復または閉鎖された。少なくとも20サイトは22日午後3時現在もハッキングされたままだ。
マレーシア科学技術革新省の関連機関、サイバーセキュリティマレーシアのアミルディン・アブドル・ワハブ最高経営責任者(CEO)は「サイバー攻撃は事実で、政府の関係機関と連携しながら捜査と監視を続けている」と語った。
一方、インドネシア国家警察のマルティヌス・シトンプル広報部長は「マレーシア側がわれわれの支援を必要とするならば、協力する用意はある。しかし、現段階ではハッカーがインドネシア人かどうかも確認されていない」と述べ、事態を静観する構えだ。
インドネシア国旗の掲載ミスについては、ガイドブック配布翌日の20日、マレーシアのカイリー青年スポーツ相が、インドネシアのイマム・ナフラウィ青年スポーツ相にクアラルンプール市内のホテルで謝罪した。
これを受け、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は「間違いは残念だ」と述べる一方で、過剰反応を控えるよう国民に呼び掛けていた。(上村夏美)