環境基準の最大4倍 カドミウムと鉛濃度 ジャカルタ湾沖

 国立インドネシア科学院(LIPI)とボゴール農科大(IPB)が2016年4〜10月、ジャカルタ湾沖で実施した海水・土壌調査で、国の定める環境基準の2〜4倍に相当する濃度のカドミウム、鉛が検出された。
 調査場所は、同湾岸から30キロ沖に位置するジャカルタ特別州プラウスリブ県のパンガン、カルヤ両島。4、7、10月の3回、島周辺の海水と島の土壌を採取、分析した。
 海水中のカドミウム濃度が最も高かったのはカルヤ島周辺で、国の基準値(0.001ppm)の4倍に当たる0.004ppmが検出された。パンガン島周辺は0.0030ppmで、やはり基準値を超えた。
 土壌中のカドミウム濃度は、カルヤ島が4.00ppmで、環境基準値(2.00ppm)の倍となった。パンガン島は基準値以下の0.50ppmだった。
 一方、鉛の濃度は、パンガン島周辺の海水が最高0.0175ppm、カルヤ島が同0.0180ppmで、ともに基準値(0.008ppm)を上回った。土壌の濃度はいずれも基準値以下だった。
 ジャカルタ湾には、大量の工業廃水、生活排水が流れ込んでおり、特にカドミウムと鉛による海水・土壌汚染が指摘されてきた。近年は、人工島造成と巨大防波堤建設、マングローブ林破壊による浄化力喪失が状況を深刻化させているという。(上村夏美)

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