食品廃棄量ワースト2位 25カ国中 1人当たり年間300キロ
英経済誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)などがこのほど発表した調査報告書「フィックスィング・フード」によると、インドネシアの食品廃棄量は、調査対象の主要25カ国中、2番目に多かった。
報告書によると、インドネシアの廃棄量は年間1人当たり300キロ。1位はサウジアラビアの427キロで、3位米国は277キロ、4位アラブ首長国連邦(UAE)は196キロだった。
先進国では、食品廃棄が主に小売業者や消費者レベルで発生している。これに対し、開発途上国の食品ロスは、干ばつなどの自然災害、道路インフラの未整備、貯蔵・冷蔵施設不足など、生産現場や輸送・流通段階で発生している。
解決策として同報告書は、食品を廃棄する小売業者らに対する罰金、運送環境の整備、農業の技術向上、食品破棄への認知度向上などを挙げた。
インターネットのニュースサイト、ジャカルタ・グローブの報道では、インドネシアの食品廃棄が多い主要因は、冷蔵貯蔵スペースの少なさと輸送インフラの整備不足で、消費者に届く前に廃棄されてしまうケースが多い。
倉庫需要は年々増大しており、政府は2016年、冷蔵保管部門を外資に開放した。
調査報告書によると、世界では年間、食品3分の1に当たる13億トン、7500億ドル相当が廃棄されている。一方で、約8億人が健康で活動的な生活を送るために必要な十分な食料を得られておらず、廃棄されている食品の4分の1を有効活用できればこれらの人々を救うことができるという。
調査対象の25カ国は、20カ国・地域(G20)から欧州連合(EU)を除いた19カ国とエジプト、ナイジェリア、コロンビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエル、エチオピア。(上村夏美)