オバマ氏が「帰郷」 幼少時代過ごした ジョクジャカルタ
オバマ前米大統領は28日、23日から休暇を過ごしていたバリ島を離れ、ジョクジャカルタ特別州アディスチプト空港に午後0時半ごろに到着した。同州には少年時代に訪れた親族の家があり、地元メディアは今回の滞在を「帰省」と報じている。
オバマ氏は同空港で州知事のハメンクブウォノ10世らから歓迎を受けた後、在インドネシア米国大使館の車で宿泊先のテントレム・ホテルに向かった。
その後、中部ジャワ州マグラン県にある世界遺産のボロブドゥール仏教寺院遺跡群で、ミシェル夫人、娘2人と家族水入らずの時間を過ごし、午後5時20分すぎにホテルへの帰路についた。
同州滞在は30日まで。滞在中、プランバナン寺院群とジョクジャカルタ王宮を訪れる予定。
その後、7月1日にジャカルタ入りし、第4回インドネシア・ディアスポラ会議の開幕式で基調講演する。
またジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領との会談も予定している。
オバマ氏がインドネシアで、6歳からの幼少期を過ごしたのは1967〜71年の約4年間。通っていた中央ジャカルタ・メンテンの小学校が長期休暇に入るたび、ジョクジャカルタ特別州を家族と共に列車で訪れたという。
当時、ガジャマダ大学(UGM)で社会政治学部長だったイマン・スティクニョ教授は、オバマ氏の母アン・ダナムさんの再婚相手となったロロ・ストロさんの姉を妻に迎えた。
オバマ氏が少年時代に滞在したのは、同州スレマン県デポック郡にあるイマン教授の家。祖母に当たるロロさんの母親も住んでおり、オバマ少年にとっては里帰りそのものだった。
この家は現在、UGM博物館の敷地内にあり、外観も含め、オバマ氏が使用した寝室や前庭で座っていた白いイス、浴室が当時のままで残されている。
同館管理人のウィドドさんは、地元メディアに対し「オバマ氏はツインベッドで両親に挟まれながら寝ていたそうだ。今では(同氏の愛称である)バリーの部屋と呼ばれている」と話した。(中島昭浩)