家族で食事を ラマダン始まる イスティクラル

 ラマダン(断食月)が始まった。初日の27日と2日目の28日、中央ジャカルタのイスティクラル・モスクでは、ブカ・プアサ(1日の断食明け)用の弁当5万5千個が配られ、集まったムスリムは男女に分かれて、家族や友人らと食事を楽しんだ。

 午後5時、モスクの入り口付近で魚や野菜、ご飯などが入った弁当と水が配られた。訪れた人は別に持参した弁当や飲み物、タジル(断食明けの甘味類の軽い食事)などを床に広げ、マグリブ(日没=断食を終了する時間)を待つ。午後5時46分、礼拝を呼びかけるアザーンがスピーカーから流れると、一斉に食事を始めた。用意した弁当は午後6時にはなくなった。
 西ジャワ州ボゴール県に住むウミ・ジャファルさん(50)は、妹夫婦と共に9人でやってきた。毎年ラマダン期間中はジャカルタに住む親せきの家に泊まるという。
 ウミさんは「家族みんなで集まって食事を取るこの期間はとても楽しい」と話す。この後家族そろってイシャ(夜の礼拝)、タラウェ(ラマダン中の特別な夜の礼拝)に向かった。
 西ジャカルタ・チュンカレンから毎年、ラマダン期間中は毎日イスティクラルに来ているという主婦のハニーさん(53)は夫の大好物である牛肉をココナッツミルクで煮込んだルンダンを持参した。
 「いつもより時間をかけて料理した。この期間は1回1回の食事を大切にしている」と話し、「これだけ大人数でみんなが一斉に同じ時間に食事を取ることはすごいことだと思う。それを感じたくて毎日来ている」と述べた。
 同モスクではラマダン期間中、毎日無料で弁当と水を提供する。また、駐車場内には揚げ物や甘い飲み物から服やサングラスなどの露店が並び、ラマダンフェアも開催している。期間は6月17日まで。

■各地のモスクで
 南スラウェシ州マカッサル市のアル・マルカズ・モスクでは27日、約千の弁当が無料で配られ、集まったムスリムたちはラマダン初日のブカ・プアサの食事を楽しんだ。ジョクジャカルタ特別州のジョゴカリヤン・モスクではラマダン期間中、毎日1500食、30日で計4万5千食分を提供する予定。
 東ジャワ州スラバヤ市のアンペル・モスク前にはタジルを売るワルンが多く並び、礼拝に訪れたムスリムたちで混雑した。
  中部ジャワ州ソロ市内にあるダルサラム・モスク前では「ブブル・バンジャル」というおかゆが配られた。同市では1930年からラマダン期間中、毎日千食分のご飯を提供し続けている。

■空港でも
 バンテン州タンゲランのスカルノハッタ空港では、搭乗待ちの乗客や到着した利用客に、ブカ・プアサの食事を無料で提供している。
 第1ターミナルは1日2200食、第2ターミナルは同700食、第3ターミナルは同1500食を用意。物流センターでも同600食を提供する。中身は水やクルマ(干しナツメヤシ)、パンだという。同空港を運営している国営空港管理第2アンカサプラが実施。断食が明ける約30分ほど前から、搭乗エリアや手荷物受取所などで提供する。(上村夏美、写真も)

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