自爆テロで5人死亡 東ジャカルタ区 カンプン・ムラユ バス停前で2度爆発

 24日午後9時ごろ、東ジャカルタ区カンプン・ムラユ・バスターミナルで2度の爆発があり、実行犯とみられる2人と警察官3人の計5人が死亡、11人が負傷した。警察は、過激派組織の摘発を進める警察官を狙い、圧力鍋に爆発物を詰め込んだ手製爆弾を爆破させた自爆テロとみて捜査している。
 警察によると、最初の爆発はターミナル内の首都圏専用バス「トランスジャカルタ(TJ)」の停留所の隣にある公衆トイレ前で発生。約5分後にトイレから10メートルほど離れたバス停留所前で2度目の爆発があった。実行犯の2人は爆発を受け即死した。 
 爆弾は圧力鍋を使用。鍋は西ジャワ州西バンドン県パダラランのコンビニで22日に購入したものだったことが判明した。ことし2月末、同州バンドン市チチェンドのプンダワ公園で発生した爆破テロに使用された手製爆弾とよく似ているという。 
 国家警察対テロ特殊部隊(デンスス88)と西ジャワ州警は25日、実行犯の1人イクワン・ヌルル・サラム容疑者(32)が住んでいた同州バンドン市バトゥヌンガル地区の借家を家宅捜索した。同容疑者は妻と子ども2人と暮らしていた。また、西バンドン県チポンコルにある別の実行犯の自宅も捜索した。
■警察官狙った犯行か 
 テロでは警察官3人が死亡、6人が負傷した。現場では24日夜、今週末から始まる見込みのラマダン(断食月)を前に祝うたいまつ行列が開かれており、通常より多くの警察官が警備に当たっていた。爆発があった際、行列は付近を通っていなかったが、最初の爆発があったトイレ付近で、休憩を取っていた警察官が多かったという。 
 爆発発生時、事故現場から約50メートル離れた自宅近くにいたジョニーさん(55)は「最初の爆発の方が、2回目より大きかった」と話す。ジョニーさんは1回目の爆発音を聞き、様子を見るため現場へ走っていった。現場へ駆けつけた警察官と共に、けが人らを助けようとしたという。 
 その後すぐ2度目の爆発が発生。「ちぎれてばらばらになった腕や足、頭のほか、けがをした警察官たちを何人も目にした。3度目の爆発があるかもしれないと思うと怖くなって、すぐに家まで走って逃げた」と話した。 
 カンプン・ムラユのバスターミナルは、ジャカルタの東西南北をつなぐトランスジャカルタ、公共バスのメトロミニ、ミクロレット(乗り合いバス)などが多数乗り入れている。ターミナルは左右を大通りに挟まれているほか、停留所の上には高架道路がある。 
 国内では近年、16年1月に発生した中央ジャカルタ区サリナデパート前交差点での爆破テロなど、過激派組織の掃討作戦を展開する警察を狙ったテロが頻発している。 
 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領とユスフ・カラ副大統領は25日夜、病院とテロ現場を訪れ、犠牲者に追悼の意を表明した。

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