民間初の信用情報機関 CIC合弁開業 個人向けローン需要取り込み

 割賦販売法・貸金業法に基づく日本最大の指定信用情報機関、シー・アイ・シー(CIC、本社・東京都新宿区)が出資し、国内初の民間信用情報機関として発足したペフィンド・ビロ・クレディット(PBK)は8日、南ジャカルタの証券取引所(IDX)で開業式典を開いた。
 CICは2013年、インドネシア中央銀行が認証する地場系で唯一の信用格付け機関ペフィンドと覚書を締結、提携を進めて合弁による事業展開に至った。
 信用情報機関はクレジットカードの契約時などに、必要な参考情報を加盟各社の照会に応じて提供する。インドネシアでは従来銀行が主な対象の公的信用情報情報機関しかなく、各社が調査員を雇うなど人海戦術に頼ってきた。
 PBKは中銀や金融庁(OJK)といった機関から情報を収集、ノンバンクや二輪、四輪関係のローン会社、クレジットカード会社などに提供する。現在の加盟企業数は74社、日系クレジット会社は15社に上る。年間の売り上げ見込みは約5億円。顧客からの申し込みベースでは個人向けローンが9割を占めるという。ローンの利用状況が堅調なことに加え、クレジットカードの発行枚数が伸びていることなどを背景に事業展開する。
 PBKの業務はOJKが監督する。政府は、経済政策パッケージ第12弾で民間の信用情報機関の設立を促進する政策を打ち出しており、AEC(アジア経済共同体)域内でも金融のリスク管理能力強化の仕組みとして求められている。
 審査精度の向上のみでなく、信用情報が整理され、従来融資を受けてこなかった中間層にローンを組む動きが広まる可能性もあり、加盟企業の顧客の裾野拡大も見込まれる。
 PBKのジャパンデスクの飯塚健介コンサルタントは提携先としてCICが選ばれた理由として、「米国系の信用情報機関などは組織を自分たちの色に染めてしまう傾向がある。CICはその逆で、インドネシア人が経営の主導権を握るべきと考え、ペフィンドが考えるシステムに協力する姿勢を示してきたのが評価されたのでは」と話す。
 CICの海外展開は初めて。「ベトナムやフィリピンなどではインドネシアに先行して信用情報機関が設立されたが、情報が不正確、提供が遅いなどの理由で国内の評判が良くない。顧客対応を徹底していきたい」と意気込みを話した。
 CICの日本国内の加盟企業数は貸金、クレジットカード関係など約千社、アジア各国をはじめとする海外での事業展開を積極的に進めている。
 提携事業には二輪、四輪などの産業発展を目的に日本の経済産業省も協力してきた。(平野慧、写真も)

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