「心から楽しめる展示に」 スタジオジブリ プロデューサー 鈴木敏夫さんインタビュー (2017年04月01日)

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 8月に開催される博覧会「大ジブリ展」。発表会見に出席するため来イした、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さん(68)は「来場者が心の底から楽しんでもらえる展示にしたい」と意気込んだ。
 来イは2度目という鈴木さん。30日の会見は、スタジオ内から米アカデミー賞のレッドカーペットまで着用した、トレードマークの雪駄(せった)と奥襟の下に「熱風」と縫い込まれた作務衣(さむい)姿で臨んだ。インドネシアの印象を聞くと、会見前に宿泊先のリッツカールトン・ホテル・パシフィック・プレイス周辺を歩き回ったエピソードについて話した。 
 「近代的なビルとかの間に、昔々のレストランとかがある一角があった。マッサージ屋さんや食堂があったんですけれど、そこは凄く好きになりました。近代的な建築ばかりあるんじゃなくて、昔ながらのそういう地域は好きで、すごくうれしかった」 
 さらに「あえて言うと、いろいろな地域で近代化が進んでいるが、(いろいろな)問題も起きている。どこもかしこもみんな頑張って近代化に努めているけれど、スピードはゆっくりの方が良いのでは、と個人的には思います」と続けた。 
 インドネシアは日本でおなじみの映画の舞台になっている。「キングコング」(1933年)では、スマトラ島のインド洋側、北スマトラ州中部タパヌリ県ムルサラ島で撮影された髑髏(どくろ)島が舞台。「ゴジラVSモスラ」(92年)ではインドネシアにある架空の島「インファント島」が怪獣モスラの生息地になっている。ジブリ作品の舞台になる可能性を聞くと「それはどうかなぁ」。 
 しかし「違う話になって申し訳ない」と断った後、「女性監督のある映画を見た。こんなに美しいところなのかと。ある島をね、舞台にしてたから。(インドネシアには)そういう映画をぜひ作ってもらいたいですよね。僕も本当のことを言うと、そういうところに行ってみたい」。大ジブリ展運営事務局に確認したところ、鈴木さんが鑑賞した映画は2011年の東京国際映画祭で紹介された、東南スラウェシ州ワカトビが舞台の「ザ・ミラー・ネバー・ライズ(邦題・鏡は嘘をつかない)」(カミル・アンディニ監督、11年)という。 
 長年タッグを組む宮崎駿監督は、ことし2月に「風立ちぬ」(13年)制作後に出した引退宣言を撤回した。16年に制作が明らかになった新作「毛虫のボロ」について、鈴木さんは「絵は全て完成した。あとは音だけ。音をいろいろ実験で作っている。公開は7月ごろになるのでは」と明かした。 
 大ジブリ展は8月10日〜9月17日に開催予定。4月1日からはジブリ映画22作品が、全国各地のシネマ21で公開される。チケットはウェブサイト(www.worldofghibli.id)で購入できる。(中島昭浩、写真も)

すずき・としお 1948年8月19日生まれ。68歳。名古屋市出身。72年3月慶応大学文学部卒。同年4月徳間書店入社。週刊アサヒ芸能などを経て、78年からアニメ専門誌「アニメージュ」の編集に創刊から携わる。82年から宮崎駿監督の漫画「風の谷のナウシカ」連載実現に尽力し、副編集長に就任。86年同誌編集長。89年スタジオジブリに移籍後、「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」などジブリの代表作でプロデューサーを務める。05年代表取締役社長。08年から現職。

インドネシアの記者の質問に真剣に耳を傾ける鈴木敏夫プロデューサー(右)
インドネシアの記者の質問に真剣に耳を傾ける鈴木敏夫プロデューサー(右)

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