昨年GDP5.02%成長 個人消費がけん引 政府支出伸び悩み

 中央統計局(BPS)が6日に発表した2016年の実質国内総生産(GDP)の成長率は前年比5.02%だった。1人当たりGDPはドル換算で同6.8%増の3605ドル。全体では個人消費がけん引したが、直近16年第4四半期(10〜12月)の成長率は政府支出が減少、3四半期ぶりに5%台を割った。 

 成長率は10年を基準とした算出方式。15年通年の成長率は4.88%だったため、成長率は緩やかに回復基調に転じた。インドネシア証券取引所(IDX)は6日、5%超の成長率を受ける形で上昇、5400に接近した。
 GDPの約6割に相当する個人消費の通年成長率は5.01%と全体の成長をけん引。金融、情報通信、運輸、倉庫業などがそれぞれ8%前後の高い上昇率を記録した。
 鉱業分野に対し、BPSのスハリヤント局長は「15年はマイナス成長だったが、16年はプラスに転じた」と資源価格の上昇が数字に反映されている現状を説明した。
 一方、直近第4四半期(10〜12月)のGDP成長率は前年同期比4.94%と5%台を割り、通年の成長率を押し下げた。ダルミン・ナスチオン経済調整相は16年の成長率について、「想定よりやや低かった」と説明。理由は「第4四半期の政府支出が伸びなかったため」と指摘。政府は財政赤字の拡大を抑えるため、16年下期から歳出を抑制する方針をとっている。
 実際、16年第4四半期のGDP成長率の分野別の指標をみると政府支出が前年同期比でマイナス4.05%と各項目の中で唯一のマイナス成長。第3四半期(7〜9月)も同マイナス2.95%だった。
 輸出サービスから輸入サービスを引いた外需の伸びに関しては、第3四半期のマイナスから第4四半期でプラス成長に転じたが、成長率は全体の成長率を下回った。一方、外国人観光客による収入は堅調に伸びている。
 インドネシアは米国や中国、日本が主要輸出先。米国を含め主要国への輸出は増加傾向にあるが、スハリヤント局長はトランプ米政権について「保護主義が広まれば米国以外に新しい市場を探す必要性がでてくる」とトランプ政権の動向を気にかけた。
 島別のGDP構成では、約6割を占めるジャワ島の成長率は5.59%。ジャワ島が経済成長のエンジンである状況は変わらず、次にスマトラ島が約2割を占め、2島でGDP全体の80.52%を占めた。(佐藤拓也)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly