雨にも負けず スタジアム内外で声援 AFFスズキカップ2016
東南アジアサッカー選手権(AFFスズキカップ)2016の決勝第1戦が行われた14日、試合会場の西ジャワ州ボゴール県チビノンのパカンサリ・スタジアムは、インドネシア代表の応援に駆けつけたサポーターでごった返した。午後に降り始めた雨にも負けず、代表チームをスタジアム内外から鼓舞した。スタジアム周辺では、警察官や国軍兵士計約4500人が警備と誘導に当たった。
交通規制の敷かれたスタジアム北側のエディ・ヨソ・マルタディプラ通りでは、代表のユニホームやマフラー、トランペットなどを売る多数の露店が軒を連ね、赤の代表ユニホームを着たサポーターの人波が太鼓を打ち鳴らしながら移動を続けた。
試合開始を約4時間半後に控えた午後2時半ごろ、雨が降り出した。それまでとは一変、露店にはシートが被せられたが、スタジアムへ向かうサポーターの流れは止まらなかった。
ボゴール生まれのムハンマド・クルニアワンさん(58)は「ボゴールはコタ・ウジャン(雨の町)だから」と傘もささずに雨の中を行く。紅白のフェイスペイントを施し、1メートルほどのメラプティ(国旗)を背負ってスタジアムへ歩を進めた。
午後4時40分すぎに小降りになった雨。直径約80センチほどのドラムを抱えてスタジアムの前に来たデポック在住の高校生バグス・ディナルさん(17)は「プルシジャ・ジャカルタの応援にいつも使っている。代表にはこの大会だけでなく、世界へのステップにしてほしい」と期待を込めた。北ジャカルタ・タンジュンプリオク港で港湾業務のトレーナーを務めるマグフィロ・ウトモさん(37)は、準決勝第1戦が行われた3日も同スタジアムを訪れたが、「準決勝も(サポーターで)混雑したが、今回がことし一番かな」と話した。
スタジアムはことし9月の国民体育大会(PON)のため、2012年に建設が始まった。スタジアム本体以外は現在も未完成で、雨でぬかるむ地面に足をとられるサポーターの姿も見られた。(中島昭浩、写真も)