ムハンマド生誕祭祝う 賛歌でアピールも 特別州知事選候補者ら

 ムハンマド生誕祭の12日、各地で合同礼拝や伝統行事が行われた。生誕祭はイスラム暦(ヒジュラ暦)の3月12日に行われる祭礼で、全国各地で祝われる。         

 西ジャワ州バンドン市のガシブ広場には、近隣のイスラム寄宿学校(プサントレン)26校の生徒らが明け方の礼拝に合わせて集まり、広場を埋め尽くした。参加者は白装束に身を包み、一様に祈りの声を上げ、涙を流す人もいた。
 ティト・カルナフィアン国家警察長官は、アフマッド・ヘルヤワン同州知事とリドワン・カミル同市市長と共に式典に出席、万全の警備を敷いて国家の安全をアピールした。
 これに先立ち、11日に中央ジャカルタのクラマット・ラヤにあるイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)青年団アンソルの事務所で開かれた式典には、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が出席した。
 大統領は「インドネシアは世界最大のムスリム人口を抱えながら、多様な民族が調和し、経済成長を続けている」と話した上で、国家を維持していく上で聖職者が果たしている役割に敬意を表した。

■知事選候補らも祝う
 ジャカルタ特別州知事選(2017年2月15日投開票)に立候補している3候補者も、それぞれのスタイルでムハンマドの生誕を祝った。
 アニス・バスウェダン前教育文化相とサンディアガ・ウノ氏=グリンドラ党、福祉正義党擁立=のペアは、ムハンマドをたたえる歌を合唱する様子をインターネットの会員制交流サイトなどにアップロード、地元メディアで取り上げられた。
 作詞は高名な詩人のタウフィック・イスマイルさん(81)。白い衣装に身を包んだアニス氏らは、ギター伴奏に合わせて「何世紀も離れた場所にいるが、預言者の存在を感じることができる」などと朗々と歌い上げた。「時代や場所を超えて人々の間に生き続けているムハンマドの偉大さを伝えるのが目的」という。
 一方、アホック・ジャカルタ知事とジャロット・サイフル・ヒダヤット副知事は中央ジャカルタのタラン通りにあるアルフダモスクを訪れ、住民たちと交流、孤児への寄付を行った。
 アグス・ハリムルティ・ユドヨノ氏も南ジャカルタのクバヨランラマにあるマヤスサリンモスクを訪問し、神への感謝の祈りをささげた。選挙運動に関しては「モスクに政治は持ち込まない」と言葉少なだった。
 南ジャカルタのクニンガンに住む商社に勤務するハルトノさん(55)は近所のモスクで明け方に30分近く祈ったという。
 知事選に関しては支持候補をまだ決めていないが、じゃかるた新聞の取材に「(アニス氏ら)候補者2人が歌を歌っていても、理由が分からないし、単なるアピールではないか。神への感謝の気持ちを自然に表すのが最善だ」と笑った。(平野慧)

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