運輸省を強制捜査 大統領自ら汚職現場へ 船舶許認可で賄賂授受容疑 海運総局職員ら6人逮捕

 国家警察は11日、中央ジャカルタの運輸省を強制捜査し、船舶に関する許認可への便宜供与の見返りに現金9500万ルピア、銀行送金で10億ルピアを授受したとして、海運総局職員や許認可仲介業者ら6人を贈収賄容疑で現行犯逮捕した。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領自ら汚職の犯行現場に踏み込み、投資の障害となっている許認可をめぐる賄賂の摘発を強化する姿勢を改めて示した。
 警視庁の捜査官は11日午後、海運総局のある運輸省ビル12階と許認可統合サービス窓口のある6階を強制捜査し、海運総局職員や許認可手続きを代行する仲介業者、国営保険ジャシンド、民間船舶会社スンブル・ブルカ・インサニの関係者ら計6人を逮捕した。12階と6階で、計152件に上る船舶の許認可に関する書類や総額9500万ルピアの5万、10万ルピアの札束などを押収した。
 ジョコウィ大統領は同日午後2時、イスタナ(大統領宮殿)で司法改革に関する関係閣僚会議を開き、不法に許認可手数料などを徴収する公務員の摘発を強化するとの方針を表明。全国各地の政府機関で、末端の職員や幹部の間で横行する不正行為を監視するため、特別チームを設置すると発表した。
 その直後の午後4時すぎ、閣議に出席したティト・カルナフィアン国家警察長官、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相らと共に運輸省へ移動し、賄賂授受の捜査現場を視察。大統領は「いかなる形であれ、不法に手数料を徴収する公務員は逮捕し、即懲戒免職だ」と強調した。
 ティト長官は「現在、許認可の申請料支払い手続きは全てオンラインで行っており、現金の授受は賄賂とみなす」と説明。大統領の指示を受け、各省庁や自治体などと協力し、賄賂授受を摘発していく方針を示した。(配島克彦)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly