東ナトゥナ鉱区  契約難航 アジア最大級のガス田 週内に再交渉

 エネルギー鉱物資源省は、国営石油ガス・プルタミナと外資企業2社の間で契約を目指していたリアウ諸島州東ナトゥナにあるガス鉱区の開発について、締結期限の9月30日までに締結できず、5日に再交渉する方針を示した。同鉱区は以前から外資企業との間で開発計画はあったが、ことしに入り中国との領域問題が浮上し、政府は開発を急ぐ姿勢を示している。                        
 東ナトゥナのガス田の埋蔵量は46兆立方フィートに達する見込みでアジア最大級。1970年代に発見され、90年代にインドネシア政府と米エクソンモービルが開発に向けて合意したが、中断した。鉱区内に二酸化炭素(CO2)の含有量が多く開発が難しい上、海底油田で採掘後の輸送も難解な場所とされる。
 同鉱区は、国際石油開発帝石(INPEX)の参画が予定されているアラフラ海マセラ鉱区の4倍以上の大きさといわれ、総投資額は200億〜400億ドルの見込み。
 国営石油ガス・プルタミナはガス鉱区の開発に向けて、エクソンモービルとタイ政府系の資源開発会社PTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)間で、開発企業と産出国で生産物を分け合う契約の締結を目指していたが、期限内の締結はできなかった。両社はまだ調査が必要とし、エネ鉱省関係者によると5日に再交渉に入る。
 東ナトゥナの開発計画は2011年にエクソンなどと基本合意を締結以降、具体的な計画まで詰められていないのが現状。ことしに入り中国の海洋進出が目立ち始めてから、政府はナトゥナ周辺の開発を急いでいる。東ナトゥナの場所は、中国が南シナ海のほぼ全体を自国の領域と主張する「九段線」とぶつかる領域に存在する。
 政府は9月に石油ガス開発費に充てる予算に関する政令を改正し、より開発企業の資金負担を和らげる仕組みに整備した。さらに財政赤字の増加を覚悟し、石油ガス開発費の予算を確保した。報道によると、石油ガス開発の各オペレーターは政府に対し政令の改正を求めていた。
 ナトゥナ開発の旗振り役となっているルフット・パンジャイタン海事調整相は政令の改正について、地元メディアに「エクソンモービルが早急に望んでいたことだ。9月中に契約できるだろう」と期待をかけていた。
 同相は8月末にマレーシアを訪れ、国営石油ペトロナスにも東ナトゥナの開発に参画するよう働きかけている。ペトロナスは同鉱区の開発に参画していたが、12年に退いた。(佐藤拓也)

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